[仕事術]長時間労働、なのに生産性が低い代表例

2012年6月4日 23:44

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問:どの国の労働者が他国の労働者に比べてより長い時間働くのか。
 日頃目にする読み物からすると、どうやらアメリカ人は、長時間労働、仕事関係で感じるストレスの大きさ、さらにはワーク・ライフ・バランスが取れていないことで、各国のなかでも上位を争っているようです。しかしながら、1位を取ったのは……韓国です!

 OECD(経済協力開発機構)によると、ほかのどの先進国より年間の労働時間が長いという点で、韓国はチャンピオンなのです。韓国人が2007年に仕事に費やした時間は、年平均で2,316時間。ところが、これは過去10年間の平均2,592時間に比べると、少なくなっています。ちなみに、米国の平均労働時間は年1,794時間でした。

 韓国は長年、国の主な目標は経済を築くことであると国民に教え込んできました。しかし、今、政府はその反対のことをしようとしています。理由は、労働時間が長いわりに、韓国の生産力が、旧ソビエトの何か国かを除いて、OECDに加盟しているほかの30か国すべてを下回っているからなのです。

 筆者が主催するタイムマネジメントセミナーでは、1日長時間労働をした場合と生産性低下の相互関係について話し合いをします。というのも、アメリカ人の中には、秩序を整えずに複数のことを同時にしようとする人たちがいるからです。

 そういった人は、勤務時間内に仕事が終わらず、後れを取らないように残業したり家に仕事を持ち帰ったりするため、しばしば労働時間が長くなります。しかし、長時間働けば働くほど、成果を出すには時間がかかります。1日の時間は平等ではないのです。

 それでは、どうすればいいのでしょうか。答えは、働く時間を増やすより、短時間でより多く成し遂げられるように、気が散る原因となっているものを制限する方法を見つけることです。そのためには、活動をグループ分けし、邪魔の入らない時間を取っておくといいでしょう。人と交流するのは大部分がランチタイムにできますし、休憩時間や勤務後のリラックスタイムや家族のための時間は計画的に取るようにしましょう。

 毎年の有給休暇を取ることも、リフレッシュするのに一役買うでしょう。休暇から戻ってきたら、創造性と集中力が向上していることに気が付くはずです。その結果、「一般的な」労働時間内によりたくさんの仕事をすることができるようになるのです!

 韓国政府による休暇取得推進政策については、ウォールストリートジャーナルのこちらの記事 how South Korean officials are trying to convince workers to take their annual vacation time (執筆:Evan Ramstad、Jaeyeon Woo)をご覧ください。

※この記事はKey Organization Systems提供の記事を財経新聞が日本向けに翻訳・編集したものです。

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