4月の消費者物価指数:上昇はあくまで供給減による点にご注意

2012年5月28日 19:17

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記事提供元:ライフパートナーズ

 5月25日に総務省から発表された4月の「消費者物価指数(※下部に説明あり)」は前年同月より+0.4%で100.4、コア指数は+0.2%で100.2となりました。総合指数の前年比プラスは4ヶ月連続、コア指数の前年比プラスは3ヶ月連続となりました。

 品目別に前年同月比を見ると、「食料」が+0.7%、「住居」が-0.3%、「光熱・水道」が+4.7%、「家具・家事用品」が-3.4%、「被服・履物」が-0.1%、「保険・医療」が-0.6%、「交通・通信」が+0.9%、「教育」が+0.3%、「教養・娯楽」が-0.1%となりました。

 上昇圧力としては、引き続き、積雪・日照時間低下の影響で出荷量が減った影響から、野菜価格が上昇(+9.1%)していることや、原発問題による電力供給不足から電気料金が上昇(+6.6%)していること、イラン問題でガソリン価格が上昇(+4.2%)していることなどがあげられます。

 下落圧力としては、引き続き冷蔵庫などの家庭用耐久財が下落(-9.9%)していることがあげられます。

 先日発表された日銀の金融経済月報で見送られた金融緩和ですが、目標のひとつとして消費者物価指数(前年比+1%)が用いられています。現在少しずつ目標に近づいている同指数ですが、これは純粋な需要増による品不足から来る価格上昇ではなく、あくまで一時的な供給減による需要超過から来る価格上昇だという点に注意しておかねばなりません。

 現状では更なる金融緩和をしたからといって、実体経済にそれほど影響を与えるとは思えませんが、投資家マインド(主に外国人投資家)に大きなプラスとなることは3月の上昇相場で証明されました。実体経済も株式市場も冷え込んだままではどうにもなりません。まずは即効性の証明された金融緩和で株式市場を活性化させてほしいと願う今日この頃です。

 ※最近の消費者が購入する商品やサービスの値段を表す指標。購入価格は好景気には上がり、不景気には下がりやすいことから、価格変動の大きい生鮮食品を除いたコア指数が景気判断の目安に使われる。2005年=100。

 純粋な物価下落が続いてしまうと、企業の得る利益は減ってしまいます。企業の利益が減れば、給与・賞与が減らされますので、さらに消費は縮小してしまいます。その結果、またまた企業の利益が減ってしまうという悪循環に陥ってしまいます。基本的に、物価の下落が続くことは経済にとってマイナスになりますのでご注意ください。

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