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「スカイツリー」の次のイベント銘柄は2カ月の長丁場のロンドン五輪関連株=浅妻昭治
「23%」と「47%」・・・野田内閣の内閣支持率と2020年夏季オリンピックの東京開催の国内支持率である。いずれも危機的な低水準である。[写真拡大]
【浅妻昭治(株式評論家・日本インタビュ新聞社記者)のマーケット・センサー】
「23%」と「47%」・・・野田内閣の内閣支持率と2020年夏季オリンピックの東京開催の国内支持率である。いずれも危機的な低水準である。それにもかかわらず、野田内閣では、野田佳彦首相が、政治生命をかけて会期末まで残り1カ月を切った今国会中に消費税の引き上げ法案の成立を目指し、夏季オリンピックも、同じく書類審査の1次選考を通過したマドリード(スペイン)、イスタンブール(トルコ)との競り合いを制して招致を実現しようとしている。
消費税引き上げは、今週開催予定の野田-小沢会談が、大きなフシ目と政治ジャーナルリズムが伝え、政界再編なども観測されており、乱調が続く株式相場の一段の下ぶれリスク要因になるのではないかと心配されている。オリンピック招致は、前回の2016年五輪で、リオデジャネイロ(ブラジル)に敗れたのも、この国内支持率の低さが影響したと分析されているだけに、開催都市が決定される来年9月のIOC総会までに、国内の盛り上がり、招致機運をどう高めるかがポイントになる。
素人考えでこの最も手っ取り早い決め手は、今年7月開催のロンドン五輪にあるのではないかと思い至る。日本代表選手が、次々と金メダルを首にかけて表彰台の一番テッペンに立ち、日章旗の掲揚を目にし演奏される「君が代」を耳にすれば、さすがの日本人もいたく民族感情を刺激され、「絆」意識を再確認するはずだからだ。このテレビ画面の下に「2020年五輪を東京で!」のテロップを流したりすれば、国内支持率のアップは間違いない。
そうなると出番が期待されるのが「なでしこジャパン」である。「なでしこジャパン」は、女子サッカーのワールドカップ(W杯)で優勝してブームを巻き起こした例の日本代表で、7月に開催されるロンドン五輪にも出場、金メダルの最有力候補となっている。この「なでしこジャパン」のオリンピック予選リーグ第1戦の対カナダ戦は、開会式に先立つ7月25日に予定されており、ここで少なくとも引き分け以上の上々の滑り出しをみせれば、ブーム再現でロンドン五輪人気に一気に火がつく。
しかもこのロンドン五輪は、「なでしこジャパン」だけの独壇場ではない。「さくらジャパン」なども出場する。「さくらジャパン」は、女子ホッケーの日本代表で、過日行なわれた出場国決定の優勝戦では圧勝し、余裕を持って代表に名乗りを上げた。男子の日本代表が、女子が出場を決めた翌日に開催された決定戦で、奮闘空しくあと一歩出場に届かなかったこととは対照的で、中継のテレビ画面からは、ホッケー競技の厳しさと同時に面白さ、楽しささえ伝わってきた。
ロンドン五輪は、この「なでしこジャパン」、「さくらジャパン」だけでなく、レスリング、柔道などの女子選手の金メダル候補が目白押しである。かつて「雌鳥歌えば家滅ぶ」などとする差別的な格言があったが、まったく逆に雌鳥が金メダルを取れば、ロンドン五輪人気は盛り上がり、五輪招致の国内支持率もアップすることになる。
このシナリオ通りに「なでしこジャパン」が健闘し、ロンドン五輪人気が盛り上がるとすれば、相場イベントとしても同五輪が株価材料として浮上してくる。全般相場は、どうせギリシャの6月17日投開票予定の再選挙まで大きく動けない。良くて膠着相場、悪くすれば世界同時株安の再現という悲観的観測も強まっている。ここは、ロンドン五輪関連株に矛先を移して、嵐の通り過ぎるのを待つのも一法となりそうだ。つい1週間前は、金環日食、東京スカイツリー開業で盛り上がったものの、イベント通過とともに一気に材料出尽くし感を強めたが、次のイベントのロンドン五輪開幕までは、幸いあと2カ月間の長丁場であり、どんな掘り出し株が飛び出さないとも限らないのである。(執筆者:浅妻昭治 株式評論家・日本インタビュ新聞 編集長)
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※この記事は日本インタビュ新聞社=Media-IRより提供を受けて配信しています。
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