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世界の主要経済指標(分析と市場の反応)5月23日
【5月23日の主要経済指標と市場の反応】
■23日は、日銀追加緩和見送りやギリシャユーロ圏離脱懸念でリスク回避の動きが加速
23日は、日銀金融政策決定会合での追加緩和見送りで、日本市場には失望感が広がった。ギリシャのユーロ圏離脱に対する警戒感を強めたこともあり、外国為替市場では円買いの動きとなり、日本の株式市場ではリスク回避の動きが加速した。
海外市場でも、ギリシャのユーロ圏離脱に対する警戒感を強めた。外国為替市場ではユーロ売りが加速し、欧州株式市場は大幅下落した。米国株式市場は大幅下落した後、終盤に値を戻した。原油、金など商品市場も概ね下落した。
≪23日 日本≫
日本の4月貿易統計(通関ベース)速報値で、輸出は前年同月比7.9%増加の5兆5665億円、輸入は同8.0%増加の6兆867億円、貿易収支は5202億円の赤字となった。輸出は東日本大震災後の落ち込みの反動で米国向け自動車などが増加した。ただし中国向けは同7.1%減少した。輸入では原油やLNGが増加した。貿易収支の赤字は2カ月連続で4月としては過去最大の赤字幅だった。赤字額は市場予想を上回り、外国為替市場では円売りがやや優勢となる場面もあったが、反応は一時的・限定的で、その後は円買いが優勢になった。なお、季節要因を除いたベースで見ると貿易赤字額は4801億円で、3月に比べて赤字幅が縮小した。
日銀金融政策決定会合では、現状の政策金利(0.0%~0.1%)と資産買い入れ基金の規模(総額70兆円)を据え置くことを決定し、追加緩和を見送った。大方の予想どおりの追加緩和見送りだったが、この決定を受けて市場では失望感が広がった。外国為替市場では対ドル、対ユーロともに円買いの動きが強まり、株式市場は大幅下落した。
≪23日 ユーロ圏≫
英4月小売売上高は前月比2.3%減少となった。3月改定値の同2.0%増加(同1.8%増加から上方修正)に比べて市場予想以上に鈍化した。市場の反応は限定的だった。
ロイターは「ユーログループ作業部会は電話協議で、ギリシャのユーロ圏離脱に備えてユーロ圏各国が個別に対応策を用意する必要があるとの認識で一致した」と伝えた。この報道を受けてギリシャのユーロ圏離脱に対する警戒感が強まった。EU首脳会議では有効な対策が期待できないとの思惑も広がり、外国為替市場ではユーロ売りが加速した。ユーロ・ドル相場では10年7月以来となる1ユーロ=1.2546ドルまでユーロが下落する場面があった。欧州株式市場も大幅下落した。
≪23日 米国≫
米3月住宅価格指数は前月比で1.8%上昇、前年同月比で2.7%上昇となった。2月の前月比0.3%上昇に比べて市場予想以上に伸びが加速した。1~3月期では前四半期比0.6%上昇となり、10~12月期の同0.1%下落に比べて市場予想以上に伸びが加速した。
米4月新築一戸建て住宅販売戸数(年率換算)は34.3万戸となった。3月改定値の33.2万戸(32.8万戸から上方修正)に比べて市場予想以上に増加した。4月の販売価格中央値も3月比0.73%上昇した。住宅市場の回復基調を確認する形となったが、ギリシャ問題への警戒感が強い状況だったため、市場の反応は限定的だった。
米週間住宅ローン申請指数(新規購入・借り換え)は前週比3.8%上昇した。住宅ローン金利が過去最低を更新し、借り換え需要が拡大した。
米4月新築一戸建て住宅販売戸数など、住宅関連の指標はいずれも強含みとなり、通常の地合いであれば好感される内容だった。しかし、ギリシャのユーロ圏離脱に対する警戒感が強く、米国株式市場は前半に大幅下落する場面があった。
また原油価格も下落した。景気の先行きに対する警戒感に加えて、イランの核開発問題に関して、IAEA(国際原子力機関)の天野事務局長が査察の実現についてイラン当局との合意が近いと述べたため警戒感が和らぎ、米ニューヨーク原油先物取引で、WTI価格が1バレル=90ドル台を割り込んだ。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media-IR)
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※この記事は日本インタビュ新聞社=Media-IRより提供を受けて配信しています。
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