放射線の影響を調べるため冷戦時代に作られた動物の組織標本を再整理

2012年5月13日 19:20

印刷

記事提供元:スラド

冷戦時代、各国は核戦争や原子力施設の事故による放射線の人体への影響を調べるため、動物を使った実験を行っていた。当時の資料は冷戦の終結とともに放置されていたが、放射線生物学らが再整理を進めているそうだ(Nature Newsの記事本家/.)。

ロシア・ウラル地方のオジョルスクでは1950年代前半から冷戦終結まで、25万頭近くの動物に放射線を照射したり、放射性物質を飼料に混ぜて与えたりして影響が調査されていたという。実験に使われたのはマウスやラット、イヌ、ブタ、サルなどで、死後に科学者が解剖し、組織の一部や内臓を資料として保存していた。日本や米国、欧州各国なども同様の実験を行っており、使われた動物は合計50万頭近くに及ぶ。現在では資金面や倫理面での問題があり、同規模の実験を行うことが困難なため、100ミリシーベルト以下の低レベル放射線の影響を調べようとする放射線生物学者にとって貴重な資料になるとのことだ。 スラッシュドットのコメントを読む | サイエンスセクション | バイオテック | サイエンス | 原子力

 関連ストーリー:
コンクリートに放射性物質が混入、マンションや道路などに使われる 2012年01月17日
X 線検査を行う TSA 職員、被曝の危険性に晒されている 2011年06月29日
福島市や伊達市、全生徒・児童に対しバッジ型線量計を配布 2011年06月14日
実際の放射線量に関する複数のデータ 2011年03月26日
チェルノブイリ観光、解禁へ 2010年12月15日
チェルノブイリの植物の放射性環境耐性機構が明らかに 2009年05月16日
チェルノブイリは奇妙な野生の王国 2007年06月09日
国際線搭乗時の宇宙線被ばく線量を調べられる携帯サイトが開設 2007年03月13日
ビール中の微量成分に放射線防護効果 2005年08月12日
ビールを飲んで被ばくによる障害を予防? 2002年03月06日

 

※この記事はスラドから提供を受けて配信しています。

関連記事