NEC、早稲田大学のプライベートクラウド環境構築を受注

　NECは7日、早稲田大学から、プライベートクラウド環境の構築を受注したと発表した。早稲田大学は今後3年間で、ポータルなどの学生向けサービスから人事などの法人システムや履修登録などの教務システムまで、大学内の多岐にわたるシステムのプライベートクラウド環境への移行を計画しており、この構築・保守をNECが担当する。

　早稲田大学は、創立150周年、2032年を見据えた中長期計画「WASEDA VISION 150」に基づき、情報基盤の整備を進めている。同計画の一環で、今回IT基盤の標準化およびデータセンターへの移設を決定した。

　NECは、早稲田大学がこれまで運用・管理してきた約50システム、約220台のサーバを、今後3年間でNECのデータセンターおよび学内に設置する共通IT基盤に順次仮想化・統合する。これにより早稲田大学は、学生・教職員へ安定的なサービスの提供が可能になるとともに、TCOの削減、新規サービス立ち上げのスピードアップを実現する。

　具体的には、ハードウェアやOSなどのプラットフォーム環境を標準化し、共通IT基盤として構築する。共通IT基盤にはNECの「Cloud Platform Suite」を使用し、サーバやストレージ、OSなどのITリソースを必要な時に必要なだけ利用することが可能。これにより早稲田大学は、履修登録などアクセス集中時にも安定的な運用ができ、また、短期間で新しいサービスの提供が可能となる。

　さらに、仮想化によりサーバ台数を1/4に削減するとともに、各システムのサービスレベルを重要度や可用性など要件に応じて3つ（Light/Standard/Advanced）に集約することで、運用・管理工数を削減できる。また、OSSミドルウェアも順次統一することで、今後の新規導入・増設における評価・検証コストを削減可能。

　加えて、ポータルや履修登録、成績照会などのシステムをNECのデータセンターへ順次移設する。これにより、計画停電や災害時にも学生・教員へ安定的なサービスを提供できる。また、サーバ統合により消費電力量を削減できる。