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【プラント関連特集(1)】世界的に活発な資源・エネルギー開発投資
プラント関連業界では専業大手3社、日揮<1963>(東1)、東洋エンジニアリング<6330>(東1)、千代田化工建設<6366>(東1)の業績が好調である。[写真拡大]
■LNG(液化天然ガス)関連の大型プロジェクトが追い風
プラント関連業界では専業大手3社、日揮 <1963> 、東洋エンジニアリング <6330> 、千代田化工建設 <6366> の業績が好調である。各社ともに豊富な受注残を抱えており、13年3月期は高水準の収益が期待できそうだ。
この背景には、世界的に活発な資源・エネルギー関連の開発・増産投資がある。世界的な人口増加や新興国の経済成長に伴う資源・エネルギー需要の増加により、中東、東南アジア、オセアニア、中南米、アフリカなどの産油・産ガス諸国を中心として、石油や天然ガス関連の開発・増産投資が活発に実行されている。さらに石油や天然ガスの高付加価値製品化を目的として、石油精製・石油化学関連や、ガス化学関連の大型プロジェクトも計画されている。
■シェールガスの開発・生産が加速
そしてプラント関連業界では今、特にシェールガス開発やLNG(液化天然ガス)プラント建設が追い風となっている。LNGは、天然ガスを消費地である遠隔国に輸送するためにセ氏零下162度に冷却して液化したもので、消費地で気化して使用する。このため、生産地(国)に液化設備プラント、消費地(国)に気化設備プラント、そして輸送のために専用タンクを搭載したLNG専用船が必要となる。
従来はカタール、インドネシア、マレーシア、豪州などが主要なLNG輸出国だったが、最近では採掘技術の進歩によって、新型資源と言われるシェールガスの生産コストが大幅に低下したため、米国やカナダなどが生産拡大、そしてLNG輸出拡大を目指している。
シェールガスというのは、炭層メタン(CBM)などと並ぶ非在来型の天然ガスの一種で、地中深くの泥土が堆積した頁岩(けつがん=シェール)と呼ばれる硬い岩盤層の微細な割れ目に閉じ込められた天然ガスである。在来型天然ガスと呼ばれる従来の天然ガス田と異なり、水平坑井を掘削して、水圧破砕法によってシェール層に人工的に割れ目を作ってガスを採取する。
採掘技術の進歩によって低コストでの生産が可能となったため、特に北米地域においてシェールガスの開発・生産が加速しており、LNGとして日本などへの輸出を拡大させる計画も目白押しとなっている。
さらに世界各地でも、技術的に回収可能なシェールガスとして膨大な埋蔵量が確認されており、開発意欲が高まっている。シェールガス埋蔵量世界一とされる中国は、20年までにシェールガス生産量を現在の天然ガス生産量に匹敵する800億~1000億立方メートルに拡大する計画だ。
一方では、日本、韓国、台湾に加えて、中国やインドなどにおいてもLNG需要の拡大が予想されているため、中東、東南アジア、オセアニアなどで数多くのLNGプロジェクトが計画されている。そして、従来のカタール、インドネシア、マレーシア、豪州などの主要輸出国だけでなく、米国、カナダ、ロシアなども含めて世界的に、在来型天然ガスや非在来型のシェールガスの開発・増産、そしてLNGプラント建設計画が相次ぐ可能性が高まっている。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media-IR)
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※この記事は日本インタビュ新聞社=Media-IRより提供を受けて配信しています。
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