シムドライブ、EV先行開発車事業第3号を始動 2013年3月の完成目指す

2012年3月28日 20:41

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 高い技術力とオープンソースの新しいビジネスモデルで電気自動車(EV)の普及を目的とする株式会社SIM-Drive(シムドライブ、本社:川崎市)は28日、昨年9月11日より募集していたEV先行開発車事業第3号が、多数の機関の賛同を得て今回開始の運びとなったと発表した。
 
 先行開発車事業は、SIM-Driveの基幹技術であるインホイールモーター技術とコンポ―ネントビルトイン式フレームを存分に活かしながら新しい概念の車をゼロから開発する事業。参加機関から1機関当り2,000万円の参加費を集め、この費用を元に電気自動車の先行開発車をSIM-Driveとの協働により約1年かけて試作する。開発拠点に各参加機関は常駐者を配置することができ、その常駐者が自由に使える机と椅子を設置する。これにより電気自動車の試作全てに渡って関わることが可能となる。最終的に参加機関には、同事業の成果品である仕様書、基本図表、試験成績書が提供される。

 今回の事業には、自動車関連企業に限らず、住宅メーカー、電機、空調など様々な業種の26社が参加し、2015年頃に大量生産が可能になることを目指した電気自動車の先行開発車を試作する。SIM-Driveの基幹技術や、これまで第1号、2号で開発された技術を存分に活かしながら、新しい概念の車を開発する。今回の事業の開発においても、1、2号車と同様、開発する車種と仕様を参加機関の合意のもとで決定していく。また、参加機関からの要望や提供される部品等を取り入れながら、設計、試作試験を行う。

 また、今回、全参加機関の同意のもと、スマートハウス、スマートシティ、スマートグリッドと電気自動車を結ぶ概念をスマート・トランスポーテーションと呼ぶことにした。3号事業においては2号事業まで行っていた先行開発の試作に加えて、スマート・トランスポーテーションの概念を創り、これを実現するためのハードウェア、ソフトウェアの開発に取り組む。
 
 車両のコンセプトは「ハイパフォーマンス」とした。ハイパフォーマンスとは素晴らしい動力性能を持ちながら、居住性、乗り心地に加えて、エネルギーのスマート利用を実現するもの。同事業ではこの方向性を基盤に参加機関の技術や知見を取り入れながら、2013年3月の完成を目指す。


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