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住友商事がインドネシアでの大型地熱発電事業に開発初期段階から参画
住友商事が、インドネシアの民間発電事業デベロッパーおよび欧州大手民間発電事業デベロッパーと共に、インドネシア・スマトラ島での地熱発電プロジェクトに参画、30年間にわたる長期売電契約をインドネシアの国営電力会社PT.PLN(PLN)と締結したと発表。日本企業としては、これまでで最も初期の段階から海外地熱鉱区開発に関与する案件となる。
今回のプロジェクトは、インドネシア・スマトラ島のムアララボ鉱区とラジャバサ鉱区の両鉱区それぞれに、世界最大級となる220MW(単基容量110MWx2基、2鉱区合計440MW)の地熱発電所を建設、PLNへの電力販売を行うもの。2012年半ばから順次蒸気生産井の掘削を開始し、いずれも2016年内の完工を目指すという。
地熱発電は、地熱発電が可能な地域は火山帯にあり掘削費用も多大であるなど、リスクが小さくないため、本格的な普及には至ってこなかった。しかし、比較的大規模かつ高い稼働率、太陽光発電や風力発電などと比べて安定的な発電が可能など、現在では世界的に注目を集める再生可能エネルギーによる発電となっている。そういった環境下でインドネシアは、全世界の約20~40パーセントとも推定される約29000MWの地熱資源量を有しており、その市場は世界トップクラス。しかし、地熱源利用率は約4%にとどまっている状況にある。この現状を受け、インドネシア政府は2014年を目途に、約4000MWの地熱発電所を新たに開発する計画を宣言している。
今回のプロジェクトでは、地熱発電所の主要機器である蒸気タービン・発電機を、技術面並びに実績面で優位性を有している日本企業から調達する計画で、日本企業の力を結集したプロジェクトとなる予定だという。日本国内も地熱発電に適した土地は少なくないものの、隣接する歴史ある温泉街や法整備などの障害が多く、今後も爆発的普及の見込みは薄いのが実情である。そのため、日本企業の力を結集させた今回のように、地熱発電に積極的な国々のプロジェクトに多く参画することでしか、優れた技術や実績を顕示する方法がないのかもしれない。これは、日本企業、強いては日本経済にとって大きな損失となっていると言えるのではないだろか。
※この記事はエコノミックニュースから提供を受けて配信しています。
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