たかだか100円のアプリケーション購入を躊躇するのはなぜ?

2012年1月1日 12:30

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記事提供元:スラド

あるAnonymous Coward 曰く、 400円のカフェラテを買ったり、本当に必要か定かではないガジェットに5万円出したりするのに、100円のアプリケーションの購入を躊躇してしまうのは何故なのだろうか?(Dan Ariely氏のブログ本家/.)。

 行動経済学者のDan Ariely氏はいくつかの理由を挙げてこれを説明している。まず一つに、例えばカフェラテを買う際には「飲み物」というカテゴリー内でしか比較・検討しないということがある。このため、100円のアプリケーションを買うときにそのアプリケーションで得られる相対的な喜びと400円のラテで得られる喜びとを比較することはない。頭の中でこれらの2つの決断は別ものなのである。

 また、「アプリケーションは無料であるべき」という期待が培われてしまっているため、アプリケーションの価格に対する金銭感覚が厳しくなっているという点もある。AppleにとってはApp Storeの品揃えが豊富であればあるほど自社端末がより魅力的なものになるはずである。しかし「無料」があまりに群を抜いた特別な価格帯であるため、たった100円ですら躊躇する心理を生んでしまうのだそうだ。

 アプリケーションを無料で提供するのではなく、10円程度の最低価格を設けていればこれを避けられたはずとAriely氏は言う。10円であれば消費者の手も伸びやすく、また「アプリケーションは無料である」との観念を植え付けることも無い。400円のラテを買うように200円のアプリケーションにも簡単に財布の紐を緩める世の中になっていたかもしれない、と。

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