[仕事術]情報の洪水に対処するための3つのアドバイス

　今日の“情報化社会”における皮肉は、あまりも情報が多すぎて、何かを一定の水準まで学んだり、何かに長く集中することが難しいということです。過剰な情報に絶えずさらされているため、集中するという技術が人から失われつつあると考える専門家もいるほどです。

　こうした“情報の洪水”を掻き分けていくことは、解決策が見つけがたいジレンマのようです。一方では、最先端の情報で武装した人間が最も良い道を選択して、キャリアを駆け上がっていきます。また別の一方では、一度に一つの仕事に集中することを学んだり、一つの仕事に対して深く考えることが、珍しくなり、より価値あるスキルとなってきています。

　私たちによくあるのは、一つのことに集中せず、それよりも時間をよく管理してより多くの仕事をこなせることだと考えて、マルチタスクをすることです。私はこれを現代生活症候群（Modern Life Syndrome：MLS）と呼んでいます。

　このことを心に留めて、ここでは情報の洪水に対処し、自分にとっても最も重要な事をしっかりと身に着けて、自分の分野でうまくやっていくためのアドバイスをご紹介します。

■優先順位をつける
　一見するとおかしな話のようですが、ほとんどの人は、多くのことを知りすぎています。言い換えてみれば、私たちは、自分の仕事には適用できないことのために本や文章を読んだり、身につけようと努力したりと、時間を費やしすぎています。自分の興味があることを学ぶのも一つの道ですが、現在の仕事とこれから就きたいと思う仕事に関連しない専門的なスキルについて深入りするのは、非生産的なことです。自分が何を勉強するのか、しっかりと優先順位をつける習慣をつけましょう。

■適切な時間配分をよく守る
　最新のトレンドにキャッチアップしていくことでも、業界の新しいスキルを身に着けることであっても、1週間に数時間など、学習に対して費やす時間を決めてその時間を守りましょう。自分が取り残されないためでもありますし、情報や知識を自分に流し込みすぎて“分析麻痺”（paralysis by analysis）で苦しむことを防ぐためでもあります。情報は、自分の精神にとって、食物のようなものとして扱うことをおすすめします。健康を保つためにある程度の量が必要ですが、多過ぎると有害です。

■一度に一つのことだけに焦点を合わせる
　人が情報が多過ぎると感じる理由の一つは、自分に定期的に情報が来るような環境を作っているからです。メール、ニュース、電話、その他自分のところに入ってくる情報のすべてがあなたにとって緊急性を持つものではありません。一度に一つのことだけに集中するようにしてみましょう。そうすれば、自分が物事を学習・吸収する能力が向上していることにすぐ気付くはずです。人間の精神は、物事を一つずつ順番に処理していくようにできています。ですから、目の前の事に集中し、自分の脳みそを今作業している仕事のために働かせましょう。