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【読者と一問一答】決算発表でオリンパスは上場維持が可能か?
★「有価証券虚偽記載」の罪は重い、過去に西武鉄道も廃止に!
【問い】 オリンパス <7733> が中間決算を発表しました。これで、上場は維持されるのでしょうか?
【答え】 第2四半期(4~9月=中間期)決算発表の期限となっていた12月14日(水)に、なんとか発表を行い期限に間に合いました。上場維持のための最初の「関所」は通過することができました。しかし、次は、東京証券取引所の「関所」が控えています。ここでの判断がどうなるか。もちろん、今、明確にお答することはできません。マーケット等での見方ということで紹介します。
問題となっているのは、オリンパスによる損失隠しを目的とした『有価証券虚偽記載』による金融商品取引法違反です。つまり、ウソの決算書を公表して株主、投資家、取引先を騙したという罪です。証券取引等監視委員会のホームページをご覧になれば、オリンパスでなくても他にも「虚偽記載」で名前の出ている上場企業はあります。しかし、名前の出た企業が、すべて上場廃止になっているかというと、そういうことはありません。ほとんどの場合は、課徴金が課せられています。
では、オリンパスも課徴金だけで済むかというと、そう簡単な話でないことも事実です。視点となるのは、「悪質性」、「社会に与えた影響」、そして「取引所の一貫性」などが判断の基準になると思われます。
悪質かどうか。オリンパスの場合は、肩書きのない一握りの社員が犯した犯罪ではないということがあります。経営の最高責任者が関っていたのです。しかも、軽犯罪と違って、「ふとした、でき心」という単純で一過性的なものではありません。歴代の経営トップが、「継続して悪いことに手を染めてきた」という悪質性が感じられます。
「手口」が普通一般では考えられないたいへん「巧妙なもの」という悪質性も判断のポイントになると思われます。
もちろん、社会に与えた影響も大きいものがあります。「金額の大きいこと」、「長年にわたったこと」、「分かり難い海外口座を使うなど手口の巧妙さ」など。しかも、名門企業としての信用を失墜させ、投資家に与えた損害も大きいものがあります。もっとも大きい影響は、外国人投資家の日本全体に対し疑惑の目が強まったことが大きいと思います。
こうした上での東証の今後の判断ということになります。過去、「有価証券虚偽記載」では、2004年11月に名門の西武鉄道が上場廃止となっています。仮に、オリンパスの上場が維持されるようなら、西武鉄道とどのように違うのかという点が投資家にとって一番の関心となるでしょう。上場廃止されることによる社会への影響があるということなら西武鉄道の方が大きかったかもしれません。株主数だって西武鉄道がはるかに多いはずです。
オリンパスは、確かに技術は優秀です。しかし、それぞれの分野で技術の優秀な上場企業はいっぱいあります。みんな、真面目にインチキをせず頑張っているのです。ウソの公表資料で善良な投資家を長年ダマシ続けてきた罪は非常に大きいものがあります。オリンパスの株価が5320円の高値をつけたのは昔の話ではありません。まだ、4年前の2007年10月のことです。公表資料を信じて買った人がいるのです。
東京証券取引所の最終判断がいつ頃になるのかは分かりません。しかし、素人目に材料を並べて見ただけでも、「良くない」という印象は避けられませんから、東証もいつまでも時間をかけるとは思えません。とくに、取引所は国会ではありません。政治的な判断より、「悪いことは悪い」という一貫性が取引所には求められます。上場廃止の可能性はかなり高いのではないでしょうか。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media-IR)
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※この記事は日本インタビュ新聞社=Media-IRより提供を受けて配信しています。
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