「柏レイソル」にあやかって昇格銘柄に「掉尾の一振」効果を期待=浅妻昭治

2011年12月5日 11:51

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記事提供元:日本インタビュ新聞社

「日本が潰れてもトヨタだけは生き残る」といわれた時期があった。日本での一人勝ちしたどころか、世界の自動車業界でもトップに君臨したのだから、トヨタ自動車<7203>(東1)の底力を自他ともに認める言い方であった。

「日本が潰れてもトヨタだけは生き残る」といわれた時期があった。日本での一人勝ちしたどころか、世界の自動車業界でもトップに君臨したのだから、トヨタ自動車<7203>(東1)の底力を自他ともに認める言い方であった。[写真拡大]

【浅妻昭治(株式評論家・日本インタビュ新聞社記者)のマーケット・センサー】

  サッカーに興味がおありだろうか?興味をお持ちでない投資家も、今年の流行語大賞が、「なでしこジャパン」に決まったことはご存知だろう。その「なでしこジャパン」が、今年7月の女子ワールドカップの決勝戦で、米国代表とのペナルティキック合戦を制して優勝を飾ったシーンの映像をテレビ画面で1度か2度くらいは目にしたことはおありだろう。

  このサッカーの国内男子プロリーグが、Jリーグである。前週末3日にこのJリーグのディビジョン1(J1)、ディビジョン2(J2)の最終節が行われ、柏レイソルが、J1の優勝を勝ち取り、さらにJ1からJ2への降格3チーム、J2からJ1への昇格3チームもそれぞれ決定した。

  いきなりJリーグのことを持ち出して、株式投資と何の関係があるのかとご不審のことだろうが、意外とそうでもないのである。株式市場は、12月年末、いわゆる「モチ代稼ぎ」、「ミルク代稼ぎ」の師走相場がスタート、いよいよ「掉尾の一振」狙いの最終盤となった。柏レイソルも、優勝を勝ち取って優勝賞金の2億円を獲得したのだから、この戦果をまさに「掉尾の一振」とすれば、Jリーグと株式投資の近親性については、少しはご納得いただけるのではないだろうか。昨年年末のJ2優勝で2000万円の優勝賞金を手にし、今年はJリーグ史上初のJ1昇格チームの即J1優勝の快挙となり、2年合計の賞金は2億2000万円にも達しており、柏レイソルにあやかりたくなる投資家も少なくないと想像する。

  実は、株式市場でも、昇格は重要な相場イベントである。新興市場から東証第2部市場、東証第2部から東証第1部へ市場変更・指定替えされるたびに株価は動意付き上昇材料となってきた。とくに東証2部から1部への指定替えは、JリーグのJ1の優勝賞金が、J2を上回っているのと相似形で、株価インパクトも大きくなるのが常である。東証1部上場で株価指数(TOPIX)連動型のファンドなどの買い増し、需給好転が期待されるからといわれてきた。

  今年も、東証1部への指定替え・市場変更は25銘柄に達した。前週末2日に指定替え・市場変更が承認されて現在進行中のクックパッド<2193>(東マ)、セブン銀行<8410>(JQS)や、今年3月に指定替えされたあと早くも9月に株主数2000人未達で指定替え猶予期間入りしたダイト<4577>(東1)まで含んでいる。

 ところが、この指定替え・市場変更銘柄の株価パフォーマンスを現在進行中の2銘柄を除いて検証すると、意外な事実が浮かんできた。指定替え・市場変更承認日の株価と前週末2日終値の比較で、2日終値が承認日の株価を上回っているのが9銘柄、下回っているのが14銘柄で、これを勝ち・負けで区分すると、9勝14敗の負け越しとなっているのである。負け越しは、銘柄ごとにはいろいろ事情はある。指定替え・市場変更と同時に新株式発行や株式売出しを実施して、希薄化・需給悪化要因を伴った事情を持つ銘柄などがこの代表だ。それにしても、指定替え・市場変更銘柄は、「買い」との投資セオリーに疑問符のつく株価パフォーマンスではある。

 指定替え・市場変更銘柄に「買い目」なしとなる株価パフォーマンスであるが、師走相場の「掉尾の一振」は、この株価パフォーマンスを逆手にとってはどうかというのが、今回の投資テーマである。23銘柄のうち勝ち組9銘柄にはさらに上値を追う投資妙味があるが、それ以上に負け組14銘柄に注目する投資スタンスである。(続きと詳細は「浅妻昭治のマーケットセンサー:メールマガジン」に掲載。果たして注目銘柄は?)(執筆者:浅妻昭治 株式評論家・日本インタビュ新聞 編集長)

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