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日銀・白川総裁、「欧州のソブリン問題は幾分緩和している」との見通しを表明
【「霞ヶ関発・兜町着」直行便】
日銀の白川方明総裁は日、全国信用組合大会「最近の金融経済情勢」と題して次のような講演を行った。財務省、金融庁からの情報、メッセージがまったくといいていいほど届かない今日、日銀の見解表明は、現在唯一のオフィシャル経済・金融情報として貴重だ。
1.わが国の経済は、持ち直しの動きが続いている。生産や輸出は、震災による落ち込みからの回復過程に比べてペースは緩やかになっているが、増加を続けている。
2.景気の先行きについては、夏場までの日本経済は、震災により生じた供給制約が、いかに早く解消されるかという点にかかっていた。しかし、そうした供給制約は概ね解消したので、今後は需要動向が最も重要なポイントになる。
3.海外経済は先進国を中心にこのところ減速傾向にあり、当面その傾向が続くとみられる。しかし、やや長い目でみれば、内需が旺盛な新興国・資源国を中心に、海外経済は高めの成長を維持できると考えている。加えて、国内需要についても、被災地でのストック復元の動きが、公共インフラの整備、企業の設備投資、消費財の買い替えなど、様々な面で次第に顕現化してくると予想される。以上を踏まえますと、日本経済は、緩やかな回復経路に復していくと考えられる。
4.ただし、こうした見通しには、様々なリスクがあることは十分認識している。とくに重要なのは、海外経済を巡る不確実性だ。また、そうした不確実性の増大を反映して、金融・資本市場では、グローバルな投資家のリスク回避姿勢が強まっている。その結果、世界的に株価が低迷しているほか、米欧では信用スプレッドが拡大している一方、米国やドイツの国債、円やスイスフランなど、安全とみなされる資産・通貨には、資金が集まりやすくなっている。
5.このように、世界経済が全体として減速し、しかも円高圧力が強まりやすいもとでは、日本経済の先行きについて、下振れリスクを意識する必要がある。日本銀行は、先行きそうした展開になる可能性があることも意識して、8月の金融政策決定会合において、金融緩和を一段と強化し、現在、そのもとで、金融資産の買入れ等を着実に進めている。
6.今後、世界経済の下振れリスクを回避するうえで、欧州ソブリン問題の動向が当面の焦点となる。欧州の当事者によりこの問題への対応が進められていることもあって、足もと市場における緊張が幾分和らいでいるように見受けられる。
7.しかし、市場の信認を得るためには、財政の立て直しや金融システムの安定化に向けて、さらなる取り組みを着実に実行していくことが不可欠だ。この点については、日本銀行としても、G7やG20の場において、日本の金融危機の経験も踏まえつつ、繰り返し主張している。
8.日本経済自身の課題としては、中長期的な成長力の強化が、引き続き重要となる。日本経済は、震災以前から、急速な高齢化や労働生産性の伸び悩みなどを背景に、経済成長率の趨勢的な低下という問題に直面してきた。さらに、震災後は、復旧・復興の着実な推進や、電力の安定供給の確保など、新たな課題も加わっている。しかも、わが国の政府債務残高は、国際的にみても高い水準となっているので、財政への信認をしっかり維持することも重要な課題となる。
9.日本銀行でも、中長期的な成長力の強化に、中央銀行の立場から貢献するという観点から、昨年6月に、成長基盤強化のための資金供給オペレーションを導入した。本年6月には、新たな貸付枠を設けて、金融機関によるABLなどの取り組みを支援している。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media-IR)
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※この記事は日本インタビュ新聞社=Media-IRより提供を受けて配信しています。
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