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【今日の出来事&マーケット】ユーロ安・円高、NYダウ安をどうみるか?=犬丸正寛
3日(月)の円相場は対ユーロで101円を切って100円台へユーロ安・円高。しかも、NYダウは258ドル安の1万655ドル、さらに、アジア市場も荒れた。まさに、海外では暴風雨となった。[写真拡大]
★ユーロ安、NYダウ急落に見舞われた日本市場の行方
3日(月)の円相場は対ユーロで101円を切って100円台へユーロ安・円高。しかも、NYダウは258ドル安の1万655ドル、さらに、アジア市場も荒れた。まさに、海外では暴風雨となった。これを受けて4日(火)の日本のマーケットは186円安の8359円、TOPIXも18ポイント安の729ポイントまで下げた。
指標では、いくつかの注目点がある。
(1)NYダウは3日(月)の安値が1万653ドルと、去る、8月9日の安値1万604ドルはキープしている (2)しかし、S&P500は3日(月)の安値が1098ポイントと去る8月9日の1101ポイントを切った (3)日本の4日前場での東証1部・新安値銘柄数が輸出関連株を中心に115社(3日は終日で35社)に急増した
これらをどうみるか。まず、NYダウの底堅さは、ユーロ安はドルの復権でもあり、再び、アメリカ・ドルが世界で強さを発揮することへの期待もあるのではないか。2008年の「リーマンショック」はアメリカ発だったのに対し、今回の「ユーロショック」は欧州発である。もちろん、ギリシャ問題が世界恐慌に発展しないことという前提条件はつく。
★気になるアメリカS&P500の8月安値切り
一方、機関投資家等が重要視するS&P500が下げていることは気になる。米国国債格付引き下げがあった8月9日時点の安値を切ってしまったことは注意が必要だ。アメリカ国内の景気悪化、高い失業率等が響いているように思われる。とくに、経済の中心地ウオール街で起きた政府批判デモの影響が大きかったのではないか。アメリカは他国のことは言っておれない、国内に国民の不満が高まっている。オバマ政権への不満である。
★新安値急増でも日経平均、TOPIXとも「彼岸の安値」はキープ、「土俵際で粘る」
日本も4日(火)は日経平均、TOPIXとも下げたものの、しかし、直近の9月安値はなんとか維持している。日経平均の4日の安値は8359円まで下げたが、去る9月26日の安値と同じ8359円で止った。TOPIXは4日の安値は729ポイントで、去る9月26日の安値727ポイントより上で止まっている。とくに、この日は新安値銘柄が急増したことを考えれば日本のマーケットは、相撲でいう「土俵際」で粘った印象だ。
2008年のリーマンショック、そして、今回のユーロショックとわずか3年の間に世界を揺るがす大きな経済変動が2度も発生した。この間、日本は世界が採った危機回避のための積極的な経済対策の恩恵を受けることができた。今度は、日本が東日本大震災の復興を旗印に日本再生を掲げて世界を牽引する順番だろう。このまま、日経平均、TOPIXが9月26日を維持できれば、「彼岸底」となって期待は高まる。(執筆者:犬丸正寛 株式評論家・日本インタビュ新聞社代表)
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※この記事は日本インタビュ新聞社=Media-IRより提供を受けて配信しています。
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