ユーロの行方を見守る相場展開へ=犬丸正寛の相場展望

2011年9月22日 17:48

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記事提供元:日本インタビュ新聞社

来週(26~30日)は、『ユーロの行方を見守る相場』だろう。S&Pが直近でイタリア国債の格付けを引き下げた。ギリシャ、スペインも厳しい状況にある。歩調を合わせるかのようにIMF(世界通貨基金)の報道もあった。EU圏の銀行がユーロ圏の財政危機で約21兆円もの損失を抱えているという。大きい金額だ。

来週(26~30日)は、『ユーロの行方を見守る相場』だろう。S&Pが直近でイタリア国債の格付けを引き下げた。ギリシャ、スペインも厳しい状況にある。歩調を合わせるかのようにIMF(世界通貨基金)の報道もあった。EU圏の銀行がユーロ圏の財政危機で約21兆円もの損失を抱えているという。大きい金額だ。[写真拡大]

■ユーロ解消か、再構築か、締め切り時間迫る

  来週(26~30日)は、『ユーロの行方を見守る相場』だろう。S&Pが直近でイタリア国債の格付けを引き下げた。ギリシャ、スペインも厳しい状況にある。歩調を合わせるかのようにIMF(世界通貨基金)の報道もあった。EU圏の銀行がユーロ圏の財政危機で約21兆円もの損失を抱えているという。大きい金額だ。

  こうなってくると、次の一手の支援が難しくなってくる。さらに、ギリシャは10月に大規模な労組によるスト計画が伝えられている。「ユーロ」はそうとう危ないところに来ているようだ。どうなるのか。

  勝手な想像を許してもらうなら、(1)ユーロ(17カ国)を解消して、各国が自国通貨とドルでの従前の態勢に戻る、(2)ユーロの中で財政のしっかりした国で「第2ユーロ」の再構築をはかる、(3)現在のユーロを維持しつつ中国、インド、できれば日本も組み込んで拡大版の「ユーロ・アジア」とする、といったことを思いつく。果たして、どうなるか。

  来月のギリシャのストがどのような規模となるか、そして他国への影響がどのように及ぶかが見所となりそうだ。深刻な影響なら、一気にユーロ解消というケースも否定できないだろう。実際、ユーロ非加盟のイギリスは自国通貨ポンドとドルでうまくいっている。

  仮に、(1)のケースなら「ドル復権」である。それで世界が安定するというのなら、多くの世界の国はドルを選ぶだろう。それは、NYダウにはプラスであり、連動性の高い日経平均にも好い効果となる。

  ユーロ危機は新たな展開の芽も含んでいる。いずれにしてもそろそろ、ユーロの締め切り時間が迫っているようだ。(執筆者:犬丸正寛 株式評論家・日本インタビュ新聞社代表)

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