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【今日の出来事&マーケット】ダイハツ『ミライース』は軽自動車の存在感を高められるか?!
ダイハツ工業<7262>(東1)が、9月20日から自動車マーケットに投入した1リッター当り走行距離30キロメートルの軽自動車『ミライース』。21日(水)のマーケットでは、ダイハツ工業の株価が前日比75円高の1390円と買われ評価された動きとなった。[写真拡大]
【今日の出来事&マーケット】=犬丸正寛
■株価は上場来高値に急接近、抜けば「軽」主役を証明
ダイハツ工業 <7262> が、9月20日から自動車マーケットに投入した1リッター当り走行距離30キロメートルの軽自動車『ミライース』。21日(水)のマーケットでは、ダイハツ工業の株価が前日比75円高の1390円と買われ評価された動きとなった。
もともと、軽自動車は燃費の良いことがセールスポイント。今さら驚くことでもないと、冷めた見方をする人もいる。しかし、その一方で、不振の株式マーケットにおいて、とくに低迷する自動車株の中で、ダイハツ工業の株価が上場来高値1405円(2011年2月)へ急接近するほど買われている意味は大きい。背景には、現在の日本の置かれている厳しい経済環境も関係していると思われる。
これまでの軽自動車の1リッター当り走行距離は22~27キロメートルといわれた。これを、3.0~8.0キロメートルほど延ばした同社の技術力はすばらしい。だが、その数字以上に、「燃費の良さが消費者に強く印象づけられたことで、購買意欲につながることが予想される」(中堅証券)ということだ。
軽自動車は、狭い、長距離に向いていない反面、(1)車両価格が安い、(2)買い物など小回りに向いている、(3)駐車する場合など運転しやすい、(4)燃料代、税金など維持費用が少ない、などの優れた点を持っている。
とくに、高失業率などで車離れが起きている若年層に加え、一般の層にも国内のデフレ経済で購買力が落ちている。地方なら必需品であっても交通の発達している都会では車なしで十分に生活できる。ましてや、ガソリン価格は高水準のまま、生活防衛を考えれば車なしのほうが生活にゆとりができる。
東日本大震災の復興が進めば自動車需要も期待できる。その場合も購買の中心となるのは「軽自動車」だろうとの見方がされている。今度の『ミライース』の価格は79万5000円。普通車のハイブリットなどに比べると買いやすい。しかも、燃費が良い。
もちろん、だからといって、軽自動車がすべての乗用車に取って代わるというわけではない。車はやはりエンジン容量2000CC以上という人も多い。すでに、次の時代を見据えて電気自動車にこだわりを持つ人もいるだろう。
ただ、今の低迷する景気と、これから本格化する少子高齢化などを考えると低価格で燃費の良い軽自動車は魅力である。ましてや、これからは、地方の時代といわれる。地方では車がなくては生活し難い。「生活の足」として、今度のダイハツ工業の『ミライース』は、軽自動車が存在感をさらに高めたことだけは間違いないだろう。株式マーケットで同社株が上場来高値をつければ存在感を証明するはずだ。(執筆者:犬丸正寛 株式評論家・日本インタビュ新聞社代表)
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※この記事は日本インタビュ新聞社=Media-IRより提供を受けて配信しています。
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