【銘柄診断】エルピーダメモリは「円高とDRAM不況の緊急対策」発表を好感し急反発

2011年9月15日 12:48

印刷

記事提供元:日本インタビュ新聞社

■大量資金を集めた公募増資が需給のネック

  半導体DRAM企業のエルピーダメモリ <6665> は、円高とDRAM不況の緊急対策発表を好感して53円高の590円まで上げて急反発している。発表では、円高に加え、DRAM製品の価格が1年前に比べ約3分の1に急落するなどの環境を受け、大容量製品へのシフト、広島工場の生産性向上、台湾子会社・レックスチップ(瑞晶電子、台中市)への生産移設、などを上げた。

  株価は2月16日高値1342円に対し、8月23日に440円の安値まで売られたが、この下げ率は68%。値幅的にはひとまず底打ちムードが生まれてもおかしくない下げだ。その後リバウンドを入れ、9月6日に461円へダメ押しと、チャートは定石どおりの底打ちパターンを形成していた。

  ただ、同社の場合、800億円という大量資金を集めた公募増資が需給でのネックになる。公募増資の発行価格は746円。戻れば待ち構えていた売り物が出てくる。さらにPCの出荷台数が伸び悩んだことから、PC用DRAMの需給バランスが崩れ、市場価格は6月に急落。今2012年3月期の第1四半期は営業損失38億円(前年同期444億円の黒字)と低迷。しかも今3月期通期について予想が困難として、見通しを公表せず、市場人気が一段と後退することになった。

  現在の株価水準は戻り待ちの売りが出てくる位置には遠く、それなりの戻りがあるかもしれない。ただ、あくまでも真空地帯の展開。公募増資の売りを吸収しきるまでにはかなりの時間が必要との見方も考慮したい。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media-IR)

【関連記事・情報】
【話題株】ローソンは2Q営業益過去最高更新観測報道、高値肉薄もマイナス圏で推移(2011/09/15)
NTTドコモは「プレイステーション」つきスマートフォンを好感し続伸(2011/09/15)
犬丸正寛の相場格言~データでは説明できない先人の知恵をもとに株式投資で大成功~(2011/08/10)
株式評論家・浅妻昭治のマーケットセンサー(銘柄発掘の王道を伝授・注目株厳選)メルマガがスタート!登録受付中(2011/06/22)

※この記事は日本インタビュ新聞社=Media-IRより提供を受けて配信しています。

関連記事