米研究チーム、遺伝子操作で「光る猫」を生み出す

2011年9月14日 15:29

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記事提供元:スラド

capra 曰く、 米国の研究チームが、猫免疫不全ウィルスへの耐性を持った「光る猫」を作り出したそうだ(ScienceNOWロイター本家/.)。

 ヒト免疫不全ウィルス(HIV)のように、猫にも猫免疫不全ウィルス(FIV)が存在し、発症すると人間のエイズと同様の症状を発症する。しかし、人間がFIVに感染したり、猫がHIVに感染することはないそうで、またヒトへのFIV感染を防いでいるのはTRIMCypという遺伝子であることが分かっているという。

 TRIMCypはウィルスの外殻を認識し分解目標とする保護タンパク質を生み出すとのことで、研究では体細胞核移植を行いこの遺伝子を組み込んだ猫を生み出したとのこと。体細胞核移植とは羊のドリーのクローニングでも用いられた技術で、遺伝子操作した卵子を雌の身体に戻し、その後受精させて遺伝子操作した子孫を誕生させるという手法。研究者らは遺伝子が組み込まれた細胞の判別を容易にするため、クラゲの持つ緑色に光る遺伝子も合わせて組み込んだとのこと。

 誕生した緑色に光るTRIMCypを持つ猫はFIVに対する保護タンパク質を生成していたとのことで、この猫から採取した細胞はFIVへの耐性を示したという。今後は猫を実際にFIVへ感染させてみて、その感染率や猫エイズ発症率を研究していくとのことだ。また、研究チームは今後この研究を人間のエイズ遺伝子治療へと役立てたいとしている。

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