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日本株式会社『野田新社長の方針』に耳を傾ける相場へ=犬丸正寛の相場展望
来週(12日~16日)は、『野田新社長の方針に耳を傾ける』相場だろう。野田総理は、「日本株式会社」の社長でもある。[写真拡大]
来週(12日~16日)は、『野田新社長の方針に耳を傾ける』相場だろう。野田総理は、「日本株式会社」の社長でもある。社員を前に、どのような方針と具体的な取り組みを示すか。とくに、前社長には、言葉に振り回された感があるので、実行が伴うかどうかを社員(国民)は見極めようとするだろう。
★「貸借対照表」重視型か、「損益計算書」重視型かを見守る
その新社長訓示式は13日(火)に臨時国会として行われる。会社は突き詰めれば、「貸借対照表」と、「損益計算書」に集約される。一般的に企業を見ていても、財務・経理畑出身の社長は貸借対照表を重視し、営業畑出身の社長は損益計算書を重視する傾向が見受けられる。当然、貸借対照表重視型においては、「債務」(借金)を減らすことに加え、「経費削減」が優先され、損益計算書型においては「売上」を伸ばすことが最優先の取り組として、それぞれ、トップの口から述べられることが多い。
★貸借対象表にこだわりすぎると社員はソッポも
その野田新社長については、「貸借対照表」重視タイプの印象が強い。売上を増やすことで財務内容を改善するというやり方より、直接、財務に手を差し込んで一気に改善する手法の雰囲気だ。当然、「増税」とか「債務カット」といったことが予想される。
しかし、こうした政策はタイミングを誤ると景気にマイナスとなるだけでなく、社員(国民)の反発を受ける心配がある。ギリシャを見ていても、人は利益をカットされたり、負担がアップすることには敏感に反対する。やり遂げるには、理想論の「思い」だけでは難しい。実績が大切である。社員・国民の納得を得るだけの実績を野田新社長が持ち合わせているとは思えないところに心配がある。実績のないまま、いきなり負担増では社員はしらける心配がある。「あの社長が言うのなら着いて行こう」という実績をつくることが先決ではないのだろうか。急がなくてはいけないからこそ、まず小さな実績をつくることが大切だろう。
社長就任早々で申し訳ないものの、自らの給与をカットするくらいのことをやったうえで社員・国民に負担を求めるというのなら分からないでもない。財務・経理畑の人には、数字ありきや理屈が先行するきらいがある。
今の日本には財政再建も成長という売上も両方大切な時である。新社長の言葉をマーケットは見守っている。(執筆者:犬丸正寛 株式評論家・日本インタビュ新聞社代表)
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※この記事は日本インタビュ新聞社=Media-IRより提供を受けて配信しています。
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