富士フイルム、UVインクのワイドフォーマットジェットプリンター開発

2011年9月7日 11:00

印刷

記事提供元:エコノミックニュース

 近年、大型ポスターや店頭POP、ウィンドウディスプレーなどの製作物の小ロット化・短納期化・グラフィカルデザインの増加などを背景に、印刷工程のデジタル化が進展し、ワイドフォーマットインクジェットプリンターを使った印刷市場が、年率7%で拡大している。その中でも、揮発性有機化合物(VOC)を含まないため環境にやさしく、速乾性にも優れ、PETやアクリル、ポリカーボネートなど幅広い基材へ印刷適性がある、UVインクタイプのワイドフォーマットインクジェットプリンターの導入が進んでおり、その市場は年率10%を超える成長を続けているという。

 そのような中、富士フイルムはワイドフォーマットインクジェットプリンターの新ラインアップとして、「Acuity LED 1600(仮称)」(以下、「Acuity LED 1600」)を開発した。

 「Acuity LED 1600」は、独自設計のLED光源ユニット、高精度・高速プリントヘッド、高感度UVインクを採用した高性能ワイドフォーマットインクジェットプリンター。独自のFast Accurate Marking技術により、クラス最高20m2/時の高生産性を実現し、ユーザーの短納期ニーズに対応するという。また、シアン・マゼンタ・イエロー・ブラック・ライトシアン・ライトマゼンタ・ホワイト・クリアの8色インクを標準搭載。インクの基材表面での広がりを制御し、基材との親和性も高めるIntelligent Curing Control技術との組み合わせで、幅広い色再現とザラツキのない滑らかな階調表現を実現。インクの密着性も向上しているため、製作物に使用できる基材の適用範囲を拡大する。

 さらに、カラーインクとクリアインクを使った、光沢度が高く高級感のある印刷物の製作が可能。しかも、従来困難であった、ワンパスでのカラー・クリアインクの2層印刷ができるため、作業効率が大幅に向上する。この他、出力したい色に対して任意の色差チャートを自動作成できる「特定色合わせソフト」も標準搭載。ロゴなどで使用される特定色の色合わせが容易にでき、製作者の作業負担を軽減するという。

 同社は、長年にわたり、印刷製版機材のリーディングカンパニーとしてオフセット印刷向けPS版/CTP版、ワークフローソフトウエア、プレートセッターなど、多様なプリプレス製品群の開発・生産・販売をワールドワイドに展開してきた。今後一層の普及が進むデジタル印刷分野においても、画期的な製品を開発・提供し、世界の印刷産業の発展に貢献していく。

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