【読者と一問一答】日経平均の9月はどうなる?「復興相場二幕」の幕開け

2011年8月31日 18:52

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記事提供元:日本インタビュ新聞社

  【問い】 8月相場が終わりました。日経平均の月足チャートから見た9月相場はどうですか?

  【答え】 8月の日経平均は始値9907円に対し、終値は8955円となって、月初に比べ月末が952円安い「陰線足」となりました。かなり、大きい陰線です。また、陰線足は7,8月と2ヶ月連続となり、今年1月から続いていた陰線と陽線が交互に出る動きは崩れました。一方、8月の安値は8619円までありましたが、しかし、今年3月の震災時下げでつけた安値8227円を切ることはなく、むしろ余裕がありました。このことはポイントだと思います。

  とくに、月足チャートを長期の動きでみると、リーマンショックで下げた08年10月の6994円を安値に、その後は概ね1万円を挟んだモミ合いが続いています。モミ合いの上値が1万1400円程度、下値は8200円台のほぼ3000円幅の往来となっています。8月はモミ合いの下値水準に到達したといえるでしょう。

  相場環境が良くない中で底堅くモミ合っている背景には企業業績の堅調なことがあります。たとえば、直近での日経平均ベースの予想1株利益は675円と高水準をキープしています。リーマンショック後、中国等の新興国向け輸出が好調だったことと、企業が経費削減等のリストラを積極的に進めた効果です。こうした貯えと、無理をしなかったことが、現在のヨーロッパ、アメリカの景気悪化に加え、新興国の経済にブレーキがかかっている中でも日本の企業業績が頑張っている背景です。

  もちろん、時間が経てば世界景気悪化の影響は間違いなく日本に押し寄せてきます。ただ、幸いにも日本には「震災復興」という経済と企業業績にとっての目玉があります。6月の菅総理の退陣表明後、政局波乱で3ヶ月も復興対策が空白でした。

  それも、野田新内閣の発足で、いよいよ復興本格化が期待できます。野党も復興には全面的に協力姿勢です。9月から、「復興相場二幕」の始まりとみられます。第一幕は震災直後の3月後半にありました。日経平均は8月をボトムに少なくとも年内は強い相場となることでしょう。9月は復興相場二幕の幕開けです。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media-IR)

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