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細田工務店:阿部憲一社長に『展望』を聞く
量的拡大から質重視の時代を迎えている住宅業界。その中で、コミュニティを中心に据え、「暮らし価値」を打ち出している細田工務店<1906>(JQS)。安部憲一社長に展望を聞いた。[写真拡大]
量的拡大から質重視の時代を迎えている住宅業界。その中で、コミュニティを中心に据え、「暮らし価値」を打ち出している細田工務店 <1906> 。安部憲一社長に展望を聞いた。
――社長様は創業者の二代目でいらっしゃいます。恐縮です、個人投資家の皆さんにご経歴をお願いします。
【阿部社長】 昭和22年の生まれで創業者の長男です。当社には昭和50年に入社、設計分野以外はすべての部署を体験してきました。昭和61年に創業者から財務面を含む組織運営全般を任され、平成3年に株式上場しました。株式上場を果たしたこともあって、平成9年に退社して、以前から強い関心を持っていた「自然との循環型社会」について、とくに、水分野に強い関心があり水処理関係等の会社を立ち上げ、そちらの会社の経営に携わっていました。最近の住宅業界の環境の厳しさから業績が落ち込み、立て直しのために、もう一度やることになり平成22年6月に社長に就任しました。
――「自然」ということでは、どのようなところに関心をお持ちですか。
【阿部社長】 「自然治癒力」という点です。人間にとって、もっとも大切なことは、病を自分の力で治そうとする生命力の強さです。地球にとっても、命の循環という観点では同じことが言えると思います。とくに、地球の大部分、人体の大部分は水です。水の役割は非常に大切です。水関係の会社を立ち上げたのもこの考えによるものです。自宅のある大磯では農業を手がけ、魚も獲り自然の中に身を置いています。
――大磯から本社のある東京杉並区まで通勤されているのですか。
【阿部社長】 そうです。6時に起きて、8時半には会社に入っています。午後7時半に退社、家に着くのは9時半頃です。夕食のあとストレッチなどで内臓を鍛えています。内臓を鍛えないと治癒力はつきません。通勤時間は長くても、電車では一人になれる良さがあります。
★住宅は「資産形成」から「暮らし価値」の時代へ、コミュニティがもっとも大切!
――住宅業界の環境が厳しいというお話です。この点についてお願いします。
【阿部社長】 住宅に対する価値観が大きく変わってきています。昔は、都会では、家は借りて住むものでした。地方から東京などの都会へ人が集まるようになると、自分で家を持つようになって住宅の量的拡大の時代を迎えました。しかし、現在では少子高齢化に加え人口そのものが減少に転じ750万戸程度の住宅が余っているといわれています。このため、かつては、住宅は資産形成の中心的な役割を担っていましたが、現在では住宅は、「暮らし価値」の時代を迎えていると思います。
――住宅が「資産形成」から「暮らし価値」ですか。
【阿部社長】 そうです。「暮らし価値」ということについては、今度の東日本大震災でコミュニティの大切さが見直されていることに端的に現れています。子供が近くにいる、病院が近くにある、あるいは公園が近くにあるといった地域との繋がりの大切さがクローズアップされています。もちろん、住宅そのものについても、「暮らし価値」ということでは、耐震性は当然で、省エネ、バリアフリーなど介護面の大切さもあります。ネットなどの通信機能を備えることも情報化時代においては不可欠です。また、間取りということでは、昔は、部屋の中心に応接間があって台所は部屋の隅にありました。今では対面型キッチンがコミュニティの中心となっています。「暮らし価値」ということで間取りさえも変わっているのです。
――どのような取り組みで臨まれているのですか。
【阿部社長】 「わが社の使命、強み弱みはいったい何か」と社員に問いかけ、昨年9月に若いメンバーを中心に、当社の「強み発見プロジェクト」を立ち上げました。出来上がったのが当社の住まいづくりの考え方をまとめた「ビジョンブック」です。ここには、当社の目指す住まいづくりについて、効率や価格だけを求め、家族の暮らしを型にはめるような工業製品型の家や、家をステイタスとするような価値観ではなく、一邸一邸に心を込めて住まいをつくり、家族から長く愛されていくような「暮らしをやさしくつつむ家」という考えがまとめられています。とくに、完成してからでは確認できない基礎や、壁内への施工内容が快適さや耐久性、さらには耐震性に大きく関わってきます。当社はこうした見えないところにこそこだわって大切にしています。これが当社の強さです。60余年の歴史のなかで、これまでに3万5000棟以上の住まいを引き渡しさせていただき、「細田の家はしっかりしている」と評価をいただいているのもこうした考え方によるものだと自負しています。
★「エリア戦略」で地域密着型経営
――エリア戦略を出されていますね。
【阿部社長】 人は以前のように遠くから移り住む時代ではなくなっています。住む場所を選ぶ場合、「地縁」が非常に大切な要素となっています。このため、地域を大切にするエリアマーケットの考えが大切です。現在、杉並でエリアマーケットの強化に取組んでいます。たとえば、消防署とタイアップした小学生の絵画展や、ジャズフェスティバルへの参加、JR東日本主催のウォーキングイベントのコースに当社を組み込んでもらうなど、地元での認知度を高め、信頼・安心感を得ることに取組んでいます。設計、施工、販売、入居後のアフターメンテナンス、さらに相続等なども含め総合的に提案することで、地域での強さを発揮します。杉並地区で成功することにより他の地域にもドミナントエリア方式を取り入れていきます。また、これまでに、杉並のほかに神奈川、千葉などで3万5000棟以上のお客様がいらっしゃるので、このところのリフォーム、建て替えにも力を入れていきたいと思っています。
――ありがとうございました。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media-IR)
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※この記事は日本インタビュ新聞社=Media-IRより提供を受けて配信しています。
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