【太陽光発電関連特集3】勢力図も激しく塗り替わる世界の太陽電池セルメーカー

2011年8月2日 14:00

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記事提供元:日本インタビュ新聞社

欧州太陽光発電産業協会(EPIA)によると、世界の太陽電池の新規導入量は、2015年には2010年比で約4割増加する見込みとしている。ただし太陽電池セルの世界市場では、主要各国の政策、補助金制度、電力買い取り価格の変更などに伴って、成長市場が次々と入れ替わっている。

欧州太陽光発電産業協会(EPIA)によると、世界の太陽電池の新規導入量は、2015年には2010年比で約4割増加する見込みとしている。ただし太陽電池セルの世界市場では、主要各国の政策、補助金制度、電力買い取り価格の変更などに伴って、成長市場が次々と入れ替わっている。[写真拡大]

■新興国メーカーが躍進する一方で、日本メーカーの世界での地位は低下傾向

  現在の太陽電池セルの主要メーカーとしては、日本では、シャープ <6753> 、京セラ <6971> 、パナソニック <6752> (子会社化した三洋電機)、三菱電機 <6503> 、カネカ <4118> 、富士電機 <6504> 、三菱重工業 <7011> 、昭和シェル石油 <5002> 、ホンダ <7267> などがあり、海外では、サンテックパワー(中国)、インリーソーラー(中国)、JAソーラー(中国)、トリナソーラー(中国)、ファーストソーラー(米国)、サンパワー(米国)、Qセルズ(独)、カナディアン・ソーラー(カナダ)、ジンテック(台湾)、モーテック(台湾)などがある。

  欧州太陽光発電産業協会(EPIA)によると、世界の太陽電池の新規導入量は、2015年には2010年比で約4割増加する見込みとしている。ただし太陽電池セルの世界市場では、主要各国の政策、補助金制度、電力買い取り価格の変更などに伴って、成長市場が次々と入れ替わっている。

  日本では、太陽光発電に対する政府導入助成制度がスタートした1994年度以降、市場は拡大基調だった。しかし、政府助成制度が廃止された2006年度と2007年度は、原料となる高純度シリコンが品不足となったことも影響して、市場が縮小した。

  また、市場が拡大基調だった欧州では、ドイツなどで2011年から、太陽光で発電した電力の買い取り価格が引き下げられるため、2011年の新規導入量が減少する見込みとなっている。

■日本メーカーは総じて順位を落とした模様

  一方で、今後の有望市場と期待される米国と中国では、助成金などの支援策も活用して、太陽光発電の新規導入量を大幅に拡大する計画を掲げており、大規模太陽光発電所(メガソーラー)の建設が相次いでいる。

  成長市場の入れ替わりも影響する形となり、世界の太陽電池セルメーカーの勢力図も激しく塗り替わっている。かつては、シャープ <6753> 、京セラ <6971> 、三洋電機、三菱電機 <6503> などの日本メーカーが、太陽電池セル生産量の世界市場シェア上位を占めていた。しかし2010年には、サンテックパワー(中国)がファーストソーラー(米)を抜いて世界首位に立った。そして、サンテックパワー(中国)を筆頭として中国メーカー4社が、世界市場シェアのトップ10に入ったのに対して、日本メーカーは総じて順位を落とした模様である。

  中国や台湾などの新興国メーカーは、さらに生産能力の増強投資を進めており、日本市場への本格進出も相次いでいる。こうした新興国メーカーの躍進に対して、日本メーカーの世界での地位は低下傾向が続いており、国内でも新興国メーカーとの競争が激化している。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media-IR)

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※この記事は日本インタビュ新聞社=Media-IRより提供を受けて配信しています。

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