人類のX染色体上にネアンデルタール人由来のDNA配列が見つかる

2011年7月20日 19:10

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記事提供元:スラド

  eggy 曰く、

 遺伝子研究の結果、現生人類のX染色体DNA配列の一部がネアンデルタール人由来であることが分かったとのこと。だが、アフリカ大陸の人に限ってはこれに該当しないのだそうだ。本研究はMolecular Biology and Evolutionの7月号に掲載されている(本家/.記事)。

 ネアンデルタール人はかつては人類の祖先との説があったが、DNAを調べた結果ネアンデルタール人は我々人類とは異なる種の人類であるということがほぼ明らかになっており、交配もできないのではないか、という説が唱えられていた。

 Damian Labuda氏率いる、モントリオール大学とCHU Sainte-Justine Research Centerの研究者で構成された研究チームは10年程前、人間のX染色体上に起源の不確かなDNA配列、ハプロタイプを特定することに成功している。そしてチームは、ネアンデルタール人のゲノムが解読された2010年に、あらゆる地域の染色体6万個とネアンデルタール人のハプロタイプを比較したところ、サハラ以南アフリカの地域以外の世界中の人々の遺伝子にネアンデルタール人のDNA配列が存在することが分かったのだそうだ。

 本研究に参加していないBroad Institute of MIT and Harvard UniversityのNick Patterson教授は、「我々の祖先とネアンデルタール人が交配したからハプロタイプが存在すると結論付けるには若干疑問が残る」としているものの、「大変素晴らしい結果であり、分析が進めば更なる事実の解明に役立つだろう」と研究チームの成果を讃えている。

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