関西電力、大飯発電所1号機の原子炉を停止 供給力約117万キロワットを失う

2011年7月18日 14:34

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 関西電力は16日、大飯発電所1号機(加圧水型軽水炉、定格電気出力117万5千キロワット、定格熱出力342万3千キロワット)を、同日19時48分に解列(発電機と送電系統を切り離すこと)し、20時53分に原子炉を停止したと発表した。これにより、関西電力は約117万5000キロワットの供給力を失うことになり、関西地域で今夏の電力需給がよりひっぱくする可能性が高まった。

 同社によると、同原発は、第24回定期検査中で調整運転中だったが、7月15日22時46分に「C-蓄圧タンク圧力高/低」の警報が発信。C-蓄圧タンクの圧力計を確認したところ、圧力が通常4.60MPaのところ、保安規定に定める運転上の制限値4.04MPaを下回り、3.65MPaに低下していることが確認された。

 そのため、23時20分に、窒素供給ラインから当該タンクに窒素補給を開始。その結果、23時45分に圧力は4.09MPaに回復し、保安規定に定める運転上の制限値4.04MPaを満足した。

 その後、16日0時38分に窒素補給を終了し、当該タンクの圧力の監視を強化するとともに、当該タンクおよびタンク周りの弁や配管の外観点検を実施。その結果、タンク等の外観に異常は認められなかったという。また、圧力も約4.08MPaで安定的に推移していることが確認された。

 しかし、今回の不測の事態を受け、同社は、「安全を最優先に」との理由で、「圧力低下の原因を調査し、対策を実施する」ことを決定。同日13時ごろから大飯発電所1号機の原子炉の出力を降下し、20時53分に原子炉を手動で停止させた。

 なお、今回の事象による環境への放射能の影響はないという。

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