中国版新幹線、6月30日から営業開始

2011年6月29日 20:52

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記事提供元:スラド

  watanabe_aki 曰く、

 中国版新幹線「CRH380A/B」の営業開始を明日に控え、各メディアが問題点を指摘しています。

まず、名前の「 CRH380」。CRHはChina Railway High、380は営業最高時速380kmという触れ込みでしたが、まずこれが現時点で不可能な数字だそうです。毎日新聞によりますと、劉志軍・前鉄道相が「技術的裏付けのないまま「世界一」にこだわり最高時速を設定した」とのこと。実際には安全面を考慮して最高時速300kmで運行となり、これは現在の新幹線の最高時速を下回ることとなります(しかしながら今年1月の試運転では最高速度時速487.3kmを記録)。

 乗り心地については、「不快とは言えないが、小刻みな上下振動(MSN産経ニュース)」という報道もありますが、英ファイナンシャルタイムズ(FT)紙によりますと「驚くべき心地よさ」と日本の新幹線技術に詳しい専門家のコメントを載せています

 FTの記事によりますと、CRH380Aは日本の川崎重工、ドイツのシーメエンス社(ドイツ版新幹線ICE)、フランスのアルストム社(フランス版新幹線TGV)、カナダのボンバルディア社(世界最大の鉄道生産設備を持つ)の技術を吸収し、更に独自の技術を注入した物と前鉄道相の劉志軍氏のコメントを寄せていますが、現在中国はそのA型車両を日米欧、ロシア、ブラジルの5カ国・地域で特許取得を目指しているそうです(中国新聞)。それに加え、この型の車両を米ゼネラル・エレクトリック(GE)と合資生産する契約を締結したと中国側から発表がありました。米国で新幹線開通事業を目指す企業、技術を提供した企業との摩擦が今後一層激しくなる模様です。また、劉志軍氏は高速鉄道事業の入札に絡む賄賂事件ですでに失脚しています。

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