【クラウドコンピューティング特集(4)】2015年の市場は約2兆3700億円規模に

2011年6月23日 09:58

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記事提供元:日本インタビュ新聞社

総務省の「スマート・クラウド研究会報告書」(2010年5月)によると、国内のクラウドサービスの市場規模は2009年時点で約3900億円、このうちSaaS市場が全体の61.3%を占めている。

総務省の「スマート・クラウド研究会報告書」(2010年5月)によると、国内のクラウドサービスの市場規模は2009年時点で約3900億円、このうちSaaS市場が全体の61.3%を占めている。[写真拡大]

■2015年の市場は約2兆3700億円規模に

  総務省の「スマート・クラウド研究会報告書」(2010年5月)によると、国内のクラウドサービスの市場規模は2009年時点で約3900億円、このうちSaaS市場が全体の61.3%を占めている。そして企業アンケート調査に基づいて推計すると、2015年の市場規模は2009年比4.6倍の約1兆8100億円(年平均成長率30.5%)に拡大し、SaaS市場が全体の62.5%を占めると見込んでいる。

  さらに、行政や医療などにおけるクラウドサービスの普及、スマート・クラウド基盤構築に対する政策的支援などで新市場が創出されることも考慮すると、2015年の市場は約2兆3700億円規模に達するとしている。

■IT市場の変革を促進

  IT専門調査会社のIDCジャパンが、4月4日に発表した「国内クラウドサービス市場動向」(コンテンツサービス、BPOサービス、導入支援/システム/アプリケーション開発などのプロフェッショナルサービスを含まず、東日本大震災の影響を考慮していない)によると、国内クラウドサービスの市場規模は2010年に前年比45.3%増の454億円となった。

  2015年には2010年比4.3倍の1947億円(2010年~2015年の年平均成長率33.8%)に拡大すると予測し、国内クラウドサービス市場は本格的な発展・拡大期を迎え、IT市場の変革を促進する大きな要因としている。

  さらに4月7日に発表した「国内クラウドコンピューティング向けソフトウェア市場予測」(東日本大震災の影響を考慮していない)によると、2015年に国内パブリック・クラウド向けは2255億円(同19.0%)、国内プライベート・クラウド向けは2707億円(同34.4%)に達すると予測し、特に仮想化ソフトウェアなどが市場の成長を牽引するとしている。

■導入済み組織の65%が期待どおりの成果と回答

  あずさ監査法人が5月17日に発表した「クラウドコンピューティングに関する調査結果」によると、国内の上場企業、非上場企業、官公庁、大学法人などの組織(2010年11月26日~12月31日に郵送によるアンケート調査を実施、有効回答は666組織)のうち、クラウド導入済みの組織は全体の18%、導入中および導入予定は9%、検討中は35%だった。

  導入目的では、ITコストの削減が79%、システムやシステム管理の簡素化が55%、セキュリティーや事業継続性の向上が37%、スケーラビリティ(必要とするシステムリソース量の急激な変動への対応)が36%、利用者の利便性向上(機能向上など)が34%などとなっている。

  導入形態では、プライベート・クラウドがパブリック・クラウドをやや上回っている。サービス提供形態では、アプリケーション・ソフトウェアの必要な機能を利用するSaaS型が76%で最も多い。

  対象業務としては、財務会計61%、受注・販売52%、発注・購買52%、営業管理40%などとなっている。そしてクラウド導入効果については、導入済み組織の65%が期待どおりの成果が得られたと回答している。(次回に続く)(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media-IR)

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※この記事は日本インタビュ新聞社=Media-IRより提供を受けて配信しています。

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