米アップル、クラウドサービス「iCloud」:複数デバイスでコンテンツを同期

2011年6月7日 18:03

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米アップルは6日、クラウドサービス「iCloud」を発表した。iPhone、iPadなどのモバイル機器やパソコン内のコンテンツを自動的に同期することができる。正式バージョンは今秋にモバイル用OSの「iOS 5」と同時に提供する予定。

米アップルは6日、クラウドサービス「iCloud」を発表した。iPhone、iPadなどのモバイル機器やパソコン内のコンテンツを自動的に同期することができる。正式バージョンは今秋にモバイル用OSの「iOS 5」と同時に提供する予定。[写真拡大]

 米アップルは6日、クラウドサービス「iCloud」を発表した。無料で利用できるサービスで、iPhone、iPadなどのモバイル機器やパソコン内のコンテンツを自動的に同期することができる。正式バージョンは今秋にモバイル用OSの「iOS 5」と同時に提供する予定。

■同期の対象コンテンツ
 iCloudで同期できるコンテンツにはこれまで有料の「MobileMe」で同期ができた連絡先、カレンダー、メールのほか、写真、音楽、ドキュメントなどが含まれる。また、App StoreやiBookstoreで購入したiOSアプリケーションや書籍が、購入に使用したデバイスだけでなく、ユーザのデバイスすべてにダウンロードできるようになる。App StoreとiBookstoreでは購入履歴が確認でき、すでに購入したアプリケーションや書籍を追加費用なしで最大10台のiOSデバイスにダウンロードできる。

■バックアップ
 バックアップ機能の「iCloud Backup」は、iPhone、iPad、iPod touchを充電している間に、デバイスのバックアップをWi-Fi経由で自動的に毎日実施する。バックアップされる内容は、購入した音楽、アプリケーション、書籍、カメラロール(写真とビデオ)、設定とアプリケーションのデータとなる。

■ドキュメントの同期
 「iCloud Storage」では、専用APIを使って作成したすべてのドキュメントを保存すると共に自動的にユーザのすべてのデバイスにプッシュ配信する。また、いずれかのデバイス上で書類を変更すると、変更内容をユーザのすべてのデバイスに自動的にプッシュ配信し、最新の状態がどのデバイスでも反映される。

 同社のワードプロセッサ「Pages」、表計算ソフト「Numbers」、プレゼンテーションソフト「Keynote」は既にiCloud Storageに対応しているという。

■音楽ファイル
 過去にiTunesを通じて購入した楽曲はユーザのiOSデバイスすべてに追加費用なしでダウンロードできる。新たに購入する楽曲についてもユーザのデバイスすべてに自動的にダウンロードできるようになる。

 iTunesから購入したものでない楽曲については、年間24.99ドルの「iTunes Match」というサービスが米国のみ用意されており、iTunes Storeで提供中の楽曲と合致する場合には、256kbps AAC DRMフリーバージョンとして楽曲を入手できる。

 iCloudのベータ版とCloud Storage APIは、6日から開発者向けに提供が開始されている。正式バージョンは今秋のリリース予定。5GBのクラウドストレージが無料で提供される。アップルから購入した音楽、アプリケーションなどの容量は5GBの制限には含まれない。

 スティーブ・ジョブズ最高経営責任者(CEO)は同サービスについて声明で、「これまでは、自分のデバイスに入っている情報やコンテンツを常に最新の状態にしておくのは、実に面倒でフラストレーションのたまるものでした。iCloudは、すべてのデバイスにある大切な情報やコンテンツを、常に最新のものにしてくれます」と述べている。

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