2008年相場再現を先取り6月の期間限定で直近IPO投資が浮上余地=浅妻昭治

2011年6月6日 18:13

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記事提供元:日本インタビュ新聞社

6月相場は、5月相場に続いて波乱含みのスタートとなった。日経平均株価は、月足で5月に続いて4本目の陰線を引く可能性なきにしも非ずである。引き続き外部環境はアゲインストだからだ。原発事故の収束は、「一進一退」どころか「一進三退」と不透明化しそうだし、政界激動の「菅おろし」も、誰がいつ菅首相の首に鈴をつけるのか、問題先送りである。

6月相場は、5月相場に続いて波乱含みのスタートとなった。日経平均株価は、月足で5月に続いて4本目の陰線を引く可能性なきにしも非ずである。引き続き外部環境はアゲインストだからだ。原発事故の収束は、「一進一退」どころか「一進三退」と不透明化しそうだし、政界激動の「菅おろし」も、誰がいつ菅首相の首に鈴をつけるのか、問題先送りである。[写真拡大]

【浅妻昭治(株式評論家・日本インタビュ新聞社記者)のマーケット・センサー】

  6月相場は、5月相場に続いて波乱含みのスタートとなった。日経平均株価は、月足で5月に続いて4本目の陰線を引く可能性なきにしも非ずである。引き続き外部環境はアゲインストだからだ。原発事故の収束は、「一進一退」どころか「一進三退」と不透明化しそうだし、政界激動の「菅おろし」も、誰がいつ菅首相の首に鈴をつけるのか、問題先送りである。

  経済情勢も、6月末の米国の金融緩和策第2弾(QE2)の終了を前に、経済指標の下ぶれが続いている。東日本大震災の被災、操業停止から国内のサプライチェーン(供給網)の回復が、次々に伝えられているが、今度は、海外のデマンドチェーン(需要網)の息切れが心配になる。6月相場も、5月に続き今年後半相場の方向感を探る分岐点となりそうだ。

  こうした先行きの相場シナリオを描き切れない手詰まり相場下で、かつてはリスクを最小化する相場ローテーションが機能していた。主力株の調整とともに、短期資金中心の極低位値ごろ株が動意付き、外国人投資家の保有比率の低い新興市場株に資金が流入し、ここで回転を効かして温まった資金が、やがて再度、主力株に還流して相場を修復するローテーションである。

  IPO(新規株式公開)投資も、その相場ローテーションの有力な一角を形成していた。IPO投資のセールストークには、必ず「値動きの軽い」、「シコリにない」などとつくことが、新規資金の流入やシコリ銘柄からの乗り換えの加速要因となった。

  このIPO投資が有効になれば、このあとに続くのが直近IPO銘柄買いである。上場人気が一巡し下値を固めている銘柄を再度、買い上げ、上場人気の再現を狙ういわば一種の「リターン・リバーサル」戦術である。

  今年のIPO市場は、3月3日に第1号が上場し3月23日まで7銘柄が公開済みだが、東日本大震災で3銘柄が上場を延期、6月9日上場のクロタニコーポレーション <3168> (東2)から再開され、月末の29日まで6銘柄が公開予定されている。米国市場ではIPOがブーム目前となっているようで、この写真相場の日本市場で、相場ローテーションとしてIPO人気が再燃するか、6月相場の1つのポイントとなることになる。

  2008年9月のリーマン・ショック当時も、上場延期や発行株式数・売り出し株式数の下方修正などが続いたが、IPO投資が市場認知度を高めたのは、グリー <3632> (東1)が、3ヵ月後の12月17日に東証マザーズに上場されて人気化してからである。IPO投資も、2008年通りならやはりこの6月が、後半を占う重要分岐点になる可能性がある。

  そこでこれの希望的観測を先取りすれば、6月相場の期間限定で、直近IPO投資の一考余地が浮上してくる。既上場7銘柄のうち前週末6月3日の終値が、公開価格を上回っているのはわずか3銘柄、上場来高値を上回っているのは皆無という現状からすれば、まさに「リターン・リバーサル」のターゲット銘柄に該当する。

  直近IPO銘柄のうち、上場期日順にファンダメンタルの今期業績が増収増益予想にある駅探 <3646> (東マ)、カルビー <2229> (東1)、アイディホーム <3274> (JQS)、アイ・アール ジャパン <6051> (JQS)、ピーエスシー <3649> (JQS)などを注目するところだろう。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media-IR)

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※この記事は日本インタビュ新聞社=Media-IRより提供を受けて配信しています。

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