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15勝4敗1分けの「外れMSCI銘柄」で日本市場の底力を試すのも一考余地=浅妻昭治
「15勝4敗1分け」である。日本時間の5月17日早朝に発表されたMSCI(モルガンスタンレー・キャピタル・インターナショナル)株価指数の定期入れ替えで、同指数の組み入れから削除された20銘柄の前週末までの4日間の株価パフォーマンスを検証すると、そんな結果となった。[写真拡大]
【浅妻昭治(株式評論家・日本インタビュ新聞社記者)のマーケット・センサー】
「15勝4敗1分け」である。日本時間の5月17日早朝に発表されたMSCI(モルガンスタンレー・キャピタル・インターナショナル)株価指数の定期入れ替えで、同指数の組み入れから削除された20銘柄の前週末までの4日間の株価パフォーマンスを検証すると、そんな結果となった。
勝率は7割5分に達している。削除前の16日終値に比べ、株価が下回ったままなのはわずか4銘柄にしか過ぎず、1銘柄はイーブンである。この勝率をどうみるか、はなはだ判断が分かれることになる。よく健闘していると拍手を送るか、20銘柄の外国人持株比率は平均すると20%を超えて高いから、これからリバランスの持株比率低下を受けて需給調整の本番を迎えるとみるか悩ましいことになる。
とにかく「想定外」、ネガティブ・サプライズであった。下馬評では、削除銘柄の本命として3銘柄が上がり、新規採用銘柄には5~7銘柄がノミネートされて先取りの動きもあった。それだけに新規採用は皆無で、削除だけ20銘柄というのは、これまで恒例のイベントとしては異例中の異例である。しかもその異例中の異例が、さらに異例なのは、削除20銘柄のうち、3銘柄の17日の高値が、16日の終値を上回ったケースもあったことである。20銘柄が、20戦全敗でなく、3勝17敗の結果となった。
マーケットコメントとしては、東日本大震災の影響で日本株の株価が急落し、株式時価総額が減少、MSCIが定める基準を満たさなくなったことが、削除20銘柄、新規組み入れゼロの要因とされた。同株価指数の日本株比率は8.81%から8.72%に低下し、その代わりに中国やインドの新規組み入れ銘柄が純増した。いよいよ株式市場でも「ジャパン・パッシング(日本通過)」や日本株の「ガラパゴス化」が本格化するかと懸念材料視された。
それだけに、その後の「15勝4敗1分け」の株価パフォーマンスは、よくよく熟読玩味が不可欠となる。それでなくともこのところの日本株は、まさに米国市場と中国市場に挟まれて、「コピー相場」となって、独自材料で動く要素がますます薄れ、投資主体別の動向も外国人投資家任せオンリーとなっている。
だからことによったら、MSCI削除15銘柄の健闘は、DOWAホールディングス <5714> のように、国内大手証券が投資判断と目標株価を引き上げて示現したケースもあるが、もしかしたら「腐っても鯛」で日本の株式市場の独自性、底力の発揮である可能性も捨てきれないのである。DOWAのほか、日清紡ホールディングス <3105> 、日産化学工業 <4021> 、トクヤマ <4043> 、ミツミ電機 <6767> などの「外れMSCI銘柄」の逆張りで試してみるのも一考余地がありそうだ。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media-IR)
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※この記事は日本インタビュ新聞社=Media-IRより提供を受けて配信しています。
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