東芝、スイスのランディス・ギアを1800億円で買収:スマートグリッド強化

2011年5月19日 16:50

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 東芝は19日、スイスのエネルギー計測製造大手ランディス・ギアを23億ドル(約1,863億円)で買収すると発表した。東芝が全株式を取得する。ランディスはスマートグリッド(次世代送電網)の重要な構成要素であるスマートメーターの有力企業で、買収によってスマートグリッド事業の強化を図る。

 東芝の発表によると、ランディスは、スマートメーターのデータを収集する高度な双方向通信技術や、収集データを利用したアプリケーションサービスなどを含むメーターシステムを一括で提供。世界に8,000以上の顧客を持ち、各地域で有力な営業網を有している。

 東芝は、ランディスの顧客網・技術と同社のエネルギーマネジメント技術を組み合わせることで、エネルギー総合管理を核としたスマートコミュニティの新たな事業領域に進出し、相乗効果を発揮することができるとしている。

 富士経済の調査によると、スマートグリッド関連市場は2020年に5兆8,170億円と09年時の6倍に拡大する見込み。予想されるこの高成長を背景に、東芝はスマートコミュニティ事業を新たな注力事業と位置付けている。

 今回の買収によって東芝は、スマートグリッドとスマートコミュニティ事業の展開を加速させ、両事業で売上高を現状の約3,000億円から2015年度に約7,000億円に拡大させることを目指す。

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