関連記事
電子書籍関連銘柄特集(4)=電子書籍市場の主役を目指す連合体は?
電子書籍配信サービスの強化に向けて、有力電機メーカー、通信会社、印刷会社、出版社、書店、コンテンツ関連企業、ネット関連企業などで、合従連衡の動きが活発化している。[写真拡大]
【配信事業は業界の合従連衡の動きが活発化】
■電子書籍配信サービスの動き
電子書籍配信サービスの強化に向けて、有力電機メーカー、通信会社、印刷会社、出版社、書店、コンテンツ関連企業、ネット関連企業などで、合従連衡の動きが活発化している。
凸版印刷 <7911> は、ソニー <6758> 、KDDI <9433> 、朝日新聞社と共同で、電子書籍の事業会社「ブックリスタ」を設立した。さらに、電子書籍の卸販売を手掛ける子会社ビットウェイが、新会社ブックライブを設立して新サービス「BookLive」を開始し、東芝 <6502> やNEC <6701> なども協力する模様だ。
大日本印刷 <7912> は、NTTドコモ <9437> 、丸善CHIホールディングス <3159> と共同出資で2011年1月、電子書籍ストア「2Dfacto(トゥ・ディファクト)」を開設した。5年後に市場シェア2割、売上高400~500億円を目指すとしている。大日本印刷 <7912> グループの書店では、立地ごとに総面積の異なるリアルの書店、電子書籍販売サイト、インターネット通販の連携などを強化し、事業拡大を図る方針だ。
また、角川グループホールディングス <9477> は、電子書籍配信サービス分野で、SNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)大手のグリー <3632> 、動画投稿サイトの運営子会社を持つドワンゴ <3715> 、NTT <9432> などと提携している。今後もネット関連企業などとの提携を広げて、電子書籍事業を拡大する方針だ。ソフトバンク <9984> は、独自の電子書籍や動画サービスを増やすことで、コンテンツの充実を進めている。
■携帯端末と配信サービスの一体化は事業拡大に限界の可能性
電子書籍の魅力を高めて本格普及を進めるためには、読者が1台の携帯端末で読みたい書籍・雑誌を選んで読めるという、読者にとっての利便性がカギになるだろう。読みたい書籍・雑誌に合わせて、異なるメーカーの複数の携帯端末を、積極的に買い揃える消費者は少ないはずである。
有力電機メーカーや通信会社は、携帯端末の販売とコンテンツ配信サービスの両方を手掛ける事業モデルを構築し、相乗効果で収益拡大を目指している模様だ。しかし、自社の携帯端末とコンテンツ配信サービスへの囲い込みにこだわれば、サービス内容が限定されるため本格普及が進まず、事業拡大にも限界があるだろう。むしろ、多くの出版社や書店を抱えて、どのメーカーの携帯端末でも読める書籍・雑誌を数多く提供し、読者の利便性に対応する出版関連の連合体のほうが、電子書籍市場の主役となる可能性が高いだろう。
【参考:主な電子書籍関連銘柄一覧】 ウェブマネー <2167> (JQS)=電子決済 SmartEbook.com <2330> (JQS)=電子書籍配信 ウェルネット <2428> (JQS)=電子決済 オールアバウト <2454> (JQS)=電子書籍 アルク <2496> (JQS)=コンテンツ制作配信 グンゼ <3002> (東1)=タッチパネル 丸善CHIホールディングス <3159> (東1)=電子書籍ストア スターティア <3393> (東マ)=電子書籍閲覧作成ソフト アクセルマーク <3624> (東マ)=電子書籍支援 グリー <3632> (東1)=電子書籍配信 プライムワークス <3627> (東マ)=携帯向け電子書籍 paperboy&co. <3633> (JQS)=電子書籍作成販売 パピレス <3641> (JQS)=電子書籍配信 ドワンゴ <3715> (東1)=電子書籍配信 ビットアイル <3811> (JQS)=電子書籍変換・編集 セルシス <3829> (東2)=電子コミック閲覧ソフト フリービット <3843> (JQS)=電子書籍閲覧作成ソフト インフォテリ <3853> (東マ)=電子カタログ閲覧ソフト TAC <4319> (東1)=学習教材電子書籍 インフォコム <4348> (JQS)=電子書籍配信 カルチュア・コンビニエンス・クラブ <4756> (東1)=電子書籍配信 クリーク・アンド・リバー社 <4763> (JQS)=コンテンツ配信 ソフトブレン <4779> (東1)=電子コンテンツ変換 ACCESS <4813> (東マ)=電子書籍閲覧ソフト デジタルガレージ <4819> (JQS)=電子書籍配信 日本エンタープライズ <4829> (東2)=電子書籍配信 USEN <4842> (JQS)=コンテンツ配信 ブリヂストン <5108> (東1)=電子ペーパー 東芝 <6502> (東1)=電子書籍配信 NEC <6701> (東1)=総合図書館システム 富士通 <6702> (東1)=電子雑誌閲覧ソフト ピクセラ <6731> (東1)=コンテンツ配信 シャープ <6753> (東1)=端末、電子書籍配信、作成ソフト ソニー <6758> (東1)=端末、電子書籍配信、閲覧ソフト ソフィアホールディングス <6942> (JQS)=コンテンツ制作配信 富士通フロンテック <6945> (東2)=電子書籍配信 凸版印刷 <7911> (東1)=電子書籍配信 大日本印刷 <7912> (東1)=電子書籍配信 共同印刷 <7914> (東1)=電子書籍配信 ヤマハ <7951> (東1)=電子書籍配信 伊藤忠商事 <8001> (東1)=コンテンツ制作配信 KDDI <9433> (東1)=電子書籍配信 NTTドコモ <9437> (東1)=電子書籍配信 学研ホールディングス <9470> (東1)=電子書籍配信 文溪堂 <9471> (名2)=電子書籍配信 角川グループホールディングス <9477> (東1)=電子書籍配信 インプレスホールディングス <9479> (東1)=電子書籍配信 ソフトバンク <9984> (東1)=端末、電子書籍配信 (情報提供:日本インタビュ新聞社=Media-IR)
【関連記事・情報】
・【特集】石原都政関連テーマを探る(1):パチンコと自動販売機は見直すべきと(2011/04/16)
・「水」関連銘柄特集 水需要の増加と水資源の不足で水ビジネス市場が拡大(2011/04/16)
・株式評論家・犬丸正寛の『時を買え投資法』で着実に稼ぐ、メールマガジンが創刊!シンプルに注目銘柄を紹介(2011/04/01)
・日刊株式投資情報新聞(無料)が創刊!株式投資のための投資情報メルマガがスタート(2011/04/01)
※この記事は日本インタビュ新聞社=Media-IRより提供を受けて配信しています。
スポンサードリンク