淡水と海水の塩分濃度の差により充放電するバッテリーが開発される

2011年5月8日 18:00

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記事提供元:スラド

  danceman 曰く、

 スタンフォード大学の研究チームが、淡水と海水の塩分濃度の違いとナノテクノロジーを利用して充放電する「混合エントロピーバッテリー」を開発したとのこと(スタンフォード大学のニュース記事本家/.)。

混合エントロピーバッテリーを開発したのは、Yi Cui准教授(材料工学)が率いる研究チーム。バッテリーは2つの電極を持つ単純な構造で、陽極に二酸化マンガンのナノロッド、陰極に銀を使用している。このバッテリーに淡水を満たして「充電」し、淡水を排出して海水に入れ替えれば電力を取り出すことが可能となる。放電後は海水を排出して淡水に入れ替えれば再度充電される。毎秒50立方メートルの淡水を使用できれば、10万世帯分の電力供給に相当する100メガワットの電力を取り出すことが可能だという。

この技術を応用した発電所の建設に適しているのは河口付近だが、排水による自然環境への影響を十分に考慮する必要がある。また、陰極として現在使用している銀は高価なため、実用化に向けて安価な代替素材を探しているとのこと。なお、淡水は川の水に限らず雨水や各種排水なども使用できるので、Cui准教授は処理済の下水利用について研究したいとも述べている。

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