つかの間の春を愛でる相場!「成長見込み銘柄」と「衰退銘柄」の選別へ=犬丸正寛

2011年4月8日 18:39

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記事提供元:日本インタビュ新聞社

来週(11~15日)は、『つかの間の春を愛でる相場』だろう。閉塞感の漂う日本において、今年も日本の象徴である「桜」が満開を迎えた。ホッとし、安心感をもたせてくれる。満開の桜花に刺激されて、うまくいけば日経平均の1万円奪回があるかもしれない。

来週(11~15日)は、『つかの間の春を愛でる相場』だろう。閉塞感の漂う日本において、今年も日本の象徴である「桜」が満開を迎えた。ホッとし、安心感をもたせてくれる。満開の桜花に刺激されて、うまくいけば日経平均の1万円奪回があるかもしれない。[写真拡大]

■春の天気は変わりやすい

  来週(11~15日)は、『つかの間の春を愛でる相場』だろう。閉塞感の漂う日本において、今年も日本の象徴である「桜」が満開を迎えた。ホッとし、安心感をもたせてくれる。満開の桜花に刺激されて、うまくいけば日経平均の1万円奪回があるかもしれない。

  しかし、残念ながら、花を愛でる刻は長くは続かないだろう。春の嵐が花を散らしてしまうごとく、マーケットにも、企業業績悪化の嵐が近づきつつある。既に、ちらほらと、業績悪化が聞こえている。震災発生前においてさえ、日経平均は上値を追うことが難しく、重い動きだったことを考えれば、震災による景気、企業業績悪化の重石がのしかかる今、1万円を突破して大きく上値を追うことは難しい。

  もちろん、一致団結して困難を乗り越える我々の気構えと政府の景気テコ入れなどによって、向こう1年以内には明るい上向き場面は期待できるだろう。だが、その前に、震災による「現実悪」を通り越えなくてはいけない。

  震災をチャンスとして成長が期待される銘柄は間違いなく出てくるだろう。その一方で、東京電力のように会社の存続にさえ黄色信号が点滅しそうな銘柄も出てくる。今後、数ヶ月間は、「回復から成長へ進む銘柄」と、「停滞へ向かう銘柄」の選別が進むものとみておきたい。

  また、これから、表面化するとみられる企業業績悪化材料に加え、このところの「円安」も気になる。国債発行が増えれば、財政悪化はいっそう厳しいものとなる。もし、円安が日本売りなら金融不安につながる心配も含んでいる。円安は輸出面にプラスなのだが、震災で生産がダウンしているから輸出増もままならない。一部で指摘されているようなハイパーインフレが来るのなら株を買っておかなくてはいけないのだが。

  しばらくは、強弱感がつけ難い状況が続くものとみられる。日本の政治の動き-経済の動き-企業の動きを、じっくりと見極める時期だろう。春の天気は変わりやすい。慎重な投資姿勢が大切だろう。(執筆者:犬丸正寛 株式評論家・日本インタビュ新聞社代表)

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