2月の経常黒字、2カ月ぶりに増加

　財務省が8日発表した国際収支状況（速報）によると、2月の経常収支は前年同月比3.0%増の1兆6,410億円の黒字だった。増加は2カ月ぶり。貿易黒字は縮小したが、所得収支の黒字幅が拡大したことが貢献した。

　内訳では、貿易収支は前年同月比7.9%減の7,233億円の黒字。輸出・輸入ともに増加したが、輸入の増加幅が輸出の増加幅を上回り、2か月連続で減少した。

　輸出は同9.7%増の5兆3,506億円で15カ月連続の増加だった。 主要地域別では、同29.1%増の中国を含む対アジア（同12.3％）、対ＥＵ（同12.7％増）、対中東欧・ロシア等（同68.5％増）などが増加した。商品別では、自動車（同10.0％増）、鉄鋼（同20.5％増）、金属加工機械（同60.1％増）などが増加した。

　輸入は同13.1%増の4兆6,273億円で14カ月連続の増加だった。資源価格の高騰を受け、商品別では、原粗油(同17.1％増)、鉄鉱石(同69.6％増)、石炭(同34.3％増)などが増加した。

　所得収支は同18.3%増の1兆1,379億円の黒字だった。海外子会社の収益改善から、再投資収益の受取増加等による直接投資収益や配当金が増加した。