国立感染研究所、被災地でツツガムシ病への注意を呼びかけ

2011年4月5日 14:48

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 国立感染研究所がつつが虫病(ツツガムシ病、恙虫病)への注意を呼びかけている。東日本大震災の被災地である東北地方で春の発生シーズンに入ったことに加え、これまで患者発生がなかった地域で患者が発生する可能性があるという。

 同研究所によると、ツツガムシ病は、病原体(リケッチア)を保有するダニの一種であるツツガムシに刺されることで起こるもので、発熱、発疹が主な症状。農作業、山林作業、土木作業、レジャーなどの活動の際に、土の中で生活するツツガムシに刺されることがあり、刺された5~14日後に発症するという。

 また、今回の震災に伴う洪水などの土砂災害で有毒ツツガムシが生息していた土が流され、これまで患者発生がなかった地域で患者が発生する可能性があるという。

 3月22日には、福島県東白川郡の男性がツツガムシ病と診断された。男性は発症の1週間前に川辺で草刈りの作業をしており、その際に感染したと考えられている。

 同研究所は感染を予防する方法として、農作業、山林作業、土木作業などの活動を行う際は、ツツガムシが吸着しないように肌の露出を避けた服装(長袖、長ズボン、長靴など)をし、虫除け剤を使用すること、作業後は入浴し吸着したツツガムシを洗い流すこと、着ていた服はすぐに洗濯するか屋外で天日干しすることなどを心掛けるように呼びかけている。

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