相場動向が様変わり!古今東西不滅の相場格言が風前の灯に?=浅妻昭治

2011年3月7日 18:37

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記事提供元:日本インタビュ新聞社

古今東西、不滅と信じられていた相場格言が、いまや風前の灯と化そうとしている。「天井三日、底百日」の相場格言である。江戸時代の米相場の昔から、常に相場の極大リスクに警鐘を鳴らし続けてきた相場格言である。

古今東西、不滅と信じられていた相場格言が、いまや風前の灯と化そうとしている。「天井三日、底百日」の相場格言である。江戸時代の米相場の昔から、常に相場の極大リスクに警鐘を鳴らし続けてきた相場格言である。[写真拡大]

【浅妻昭治(株式評論家・日本インタビュ新聞社記者)のマーケット・センサー】

■「天井三日、底百日」か「天井百日、底三日」か?

  古今東西、不滅と信じられていた相場格言が、いまや風前の灯と化そうとしている。「天井三日、底百日」の相場格言である。江戸時代の米相場の昔から、常に相場の極大リスクに警鐘を鳴らし続けてきた相場格言である。平成に入ってからでも「失われた10年」では、いかに多くの投資家がその痛みと苦しさを骨身に沁みて実感したことか分からない。その相場格言が、まったく逆転してしまいそうなのだ。まるで「天井百日、底三日」である。

  相場格言が逆転してしまうほど、相場動向が様変わりしてしまった。例のチェニジアの「ジャスミン革命」を発火点とした北アフリカの政権崩壊ドミノ、中東湾岸諸国への反政府デモの拡散に対する世界各市場の株価の反応である。リビアのカダフィ大佐が、退陣要求デモに対してテレビ演説で「最後の血の一滴まで戦う」と徹底抗戦を宣言し、内戦様相が強まった情勢緊迫化を、株価が、わずか3日の下げで織り込んで出直ってしまったように見受けられたからだ。この間、安全資産とされる金先物価格が、過去最高値を更新し、原油先物(WTI)価格も、100ドル台に乗せ2年5カ月ぶりの高値まで急騰したが、まったく歯牙にもかけなかった。

  わが兜町でも、徹底ディフェンシブ、逆張りオンリーと慎重姿勢を崩さなかった個人投資家までが買い転換してきた。まさか売り飽き、売り疲れしたわけではないだろうが、カダフィ大佐が徹底抗戦演説をしたその2月第4週に、投資主体別売買動向で個人投資家は、5週間ぶりに買い越しとなり、買い越し額は約9カ月ぶりの高水準となった。

  ただこの買い越しが、本当に腰の入った買いかといえばやや疑問符をつけざるを得ない。これは物色銘柄動向からも浮き彫りとなる。東証マザーズ指数が昨年来高値を更新したことでも明らかなように、新興市場の主力株買いが中心となっているからだ。新興市場株は、「ライブドア事件」以来、いつ天井でハシゴを外されるか、おっかなびっくり対処してきたセクター株である。たまたまタイミング的にIPO(新規株式公開)が、3月3日から約3カ月ぶりに再開される時期に差し掛かり、新興市場株には内需関連株が多いからということであれば、個人投資家の買い越しは、あくまでディフェンシブの域を出ていないとみることもできる。

■「底百日」銘柄に照準

  この見方が正鵠を得ているとすれば、ここからの相場対応は、やはり「天井三日、底百日」の相場格言通りとするのが基本となる。「天井三日」銘柄は忌避して、「底百日」銘柄に照準を合わせることである。その投資スタンスから浮上するのは、「TOPIX Core30」の出遅れ株、「底百日銘柄」となる。PBRが1倍割れのパナソニック <6752> 、三菱UFJフィナンシャル・グループ <8306> 、三井住友フィナンシャルグループ <8316> 、みずほフィナンシャルグループ <8411> 、野村ホールディングス <8604> 、日本電信電話 <9432> が該当することになり、面白みはないが逆張りに徹することである。(情報提供:日本インタビュ新聞社 Media-IR)

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※この記事は日本インタビュ新聞社=Media-IRより提供を受けて配信しています。

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