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今年の相場は「節分天井、彼岸底」となるか?目が離せない銘柄=浅妻昭治
「冬来たりなば春遠からず」のようである。日本列島を覆った大寒波で、日本海側が大雪に見舞われ、首都圏も白一色となったが、株式市場は早くも春景色となっているからだ。[写真拡大]
【浅妻昭治(株式評論家・日本インタビュ新聞社記者)のマーケット・センサー】
■昨秋に悪役を演じた5銘柄の3Q決算動向が「春本番」か「寒の戻り」かを先行示唆
「冬来たりなば春遠からず」のようである。日本列島を覆った大寒波で、日本海側が大雪に見舞われ、首都圏も白一色となったが、株式市場は早くも春景色となっているからだ。日経平均株価は、9カ月ぶりの高値を取り、値上がり銘柄数が値下がり銘柄数を大きく上回って新値更新株が続出、前週末1月14日には「逆幻のSQ値」まで示現した。
なかでも新値株の続出は、スマートフォン関連株、電気自動車関連株などの新しいテーマ株への物色の拡大を伴い、個人投資家中心に新規資金の流入さえ窺わせる。今年1月17日に償還される5年物の個人向け国債を皮切りに、定額貯金の集中満期も加わり、今年、来年の2年間に30兆円弱の資金余剰が発生するとも推測されており、この早手回しの市場還流かとも期待させる。期待通りならまさに冬眠中の虫が穴から這い出る2カ月も前倒しの「啓蟄」にも当たり、「春本番」となる。
ただ、穴から這い出た虫が、そのまま春を呼んでくれるのか、それとも周囲を見回して「寒の戻り」どころか、厳冬本番に首をすくめて穴に逆戻りしてしまうのかはまだまだ油断ができない。目の前には、新閣僚自ら「崖っぷち」と口にした菅第2次改造内閣を巡る通常国会情勢、さらに前週から米国企業を先陣に始まった2010年10-12月期(3Q)の決算動向など不透明材料が控えているからだ。
決算発表では主力株は、エコカー補助金制度、エコポイント制度などの政策支援で第1四半期(1Q)、第2四半期(2Q)と上方修正を続けた銘柄も多く、円高進行や欧州の財政不安も日銀の追加金融緩和策で押し戻した。3Q決算が、これにさらに拍車をかけ再々上方修正銘柄、リード株が登場するか、それとも織り込み済みとなるかが、相場の持続性を左右することになる。
今年の相場が、またまた「節分天井、彼岸底」となるか、ならないか占う指標株として注目したいのが、昨年9-11月の2Q決算発表時に逆に今3月期業績を下方修正して、相場の足を引っ張った悪役5銘柄である。業績減額とともに窓を開けて昨年来安値まで急落し、その後、窓埋めはしているが、この再現があるかないかは、3Q決算動向がカギを握ることはいうまでもない。
決算発表順に1月19日予定の東京製鐵 <5423> 、1月27日の任天堂 <7974> 、1月28日の新光電気工業 <6967> 、2月3日のミツミ電機 <6767> 、2月10日の大幸薬品 <4574> からは目が離せない。(情報提供:日本インタビュ新聞社 Media-IR)
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※この記事は日本インタビュ新聞社=Media-IRより提供を受けて配信しています。
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