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相場は相場に聞け(心静かに周囲に耳を傾けよう)=犬丸正寛の相場格言
勉強し研究し過去の自分の経験に照らし合わせた結果、相場の見通しに自信を持つことはすばらしいことです。しかし、より大切なことは、実際の相場が想定した動きとならない時です。このような時には、自説を捨てることはありませんが、修正を加える心の余裕は大切です。[写真拡大]
■相場は相場に聞け
ひとことで言えば、迷ったりした時などは、自説にこだわらず、心静かに周囲に耳を傾けてみようということです。勉強し研究し過去の自分の経験に照らし合わせた結果、相場の見通しに自信を持つことはすばらしいことです。しかし、より大切なことは、実際の相場が想定した動きとならない時です。このような時には、自説を捨てることはありませんが、修正を加える心の余裕は大切です。
人の世も、マーケットも、多くの人が集まるところは理屈通りには行かないものです。たとえば、企業人には「いい物を作れば売れる」という熱い思いがあります。大切なことです。しかし、「いい物」ということに対する定義が時代と共に変わっています。戦後、間もない頃のいい物と、現在のいい物は違います。昔なら、壊れなければいい物でしたが、今は製品のしっかりしていることは当たり前です。機能、デザイン、好みなど、いい物の尺度が変わっています。自分で、いくらいい物と思っても、買ってもらえなければいい物ではなく、独りよがりとなってしまいます。芸術作品なら、それもありでしょうが、ビジネスでは通用しないのです。
マーケットでも自分の見通し・判断は、あくまで自分の見方であり、多くの人の見方ではないことがあります。もちろん、その人の人生ですから自分の思いのまま歩むことはできます。誰だって、自分を大切にしたい気持ちはあります。しかし、マーケットに参加する以上は投資成果を上げることが目的です。学んで自説を持つと同時に人の意見にも耳を傾ける素直さが大切です。
かつて、イギリスでは金融政策を決める時には、「シティ(金融街)のざわめきに耳を傾ける」と言われました。今は、人ではなくコンピュータによるデータが主役の時代です。個人の生活においても人と人の繋がりが希薄となり、感情の動きやざわめきを聞き取る機会は薄らいでいます。そういった中で政府が「景気ウォッチャー調査」を実施して、景気のざわめきを汲み取ろうとしています。われわれ個人投資家も、まずは、相場の動きに素直に耳を傾けて、相場の声、息吹を聞き取るようにしたいものです。(執筆者:犬丸正寛 株式評論家・日本インタビュ新聞社代表)
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※この記事は日本インタビュ新聞社=Media-IRより提供を受けて配信しています。
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