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『雪ウサギ』相場に突入!掴みどころのない不確かな展開=犬丸正寛の相場展望
日経平均は昨年9月1日の8796円をボトムに上昇を続けている。7日(金)には1万550円と昨年9月ボトムから19.9%の上昇。一方、TOPIXは9月2日のボトム799ポイントから7日の928ポイントまで16.1%の上昇。引き続き「輸出関連株」が主導の形だ。[写真拡大]
■引き続き「輸出関連株」が主導
新しい年を迎え、おめでとうございます。日経平均は昨年9月1日の8796円をボトムに上昇を続けている。7日(金)には1万550円と昨年9月ボトムから19.9%の上昇。一方、TOPIXは9月2日のボトム799ポイントから7日の928ポイントまで16.1%の上昇。引き続き「輸出関連株」が主導の形だ。
とくに、相場は年明けからの動きに元気がよい。 (1)NY高 (2)危惧されていた円高が進まなかった (3)日米間の修復が進んでいる (4)1月末予定の国会まで政局が空白 (5)新春相場期待、とくに、ウサギ年ということで「跳ねる」期待が強い などが株高の背景となっているものとみられる。
■NY高の波及は大きい
なかでも、NY高の波及は大きい。アメリカの中間選挙の翌年は景気と株は強いという過去の教えとおりの展開。一時、日本の民主党政権誕生直後は、冷えていた日米関係が領海問題、北朝鮮の軍事脅威などがあって、関係が修復されている。関係が悪化していた時は、NYダウに対し、割り負けに置かれていた日経平均。政府間の関係修復なら、当然、マーケットも割り負け修復となる。現実にそうした動きとなっている。
「NN倍率」(日経平均÷NYダウ)の「1倍」は見込んでよいはず。今、NYダウは1万1697ドルだから、日経平均の1万1000円台は見込める理屈である。
■相場は強いが掴みどころのない不確かな展開
ただ、松の内(7~15日)あたりを過ぎてくると、「おめでたさ」も終わり、現実のことに目が向き始める。日米とも国会が始まる。とくに、日本は内閣改造が行われる見通し。しかし、参議院議長(民主党)が首相、官房長官に対し、「国を担う資格なし」と、月刊誌で批判するなど、党内の足並みの乱れが気になる。果たして、内閣改造で乗り切れるのか。政治がガタつくと、尖閣のような問題が出てくる心配がある。為替もどちらに動くか難しい。しかも、NYダウは、これから大きなフシどころの1万2000ドルに差し掛かる。
卯年は跳ねる。一方で、ウサギには優しさの印象もある。寅のように強い印象ではない。白い雪原の「雪ウサギ」も思い浮かぶ。可愛くて、優しいものの、雪の風景に溶け込んで掴みどころが無いともいえる。まさに、今の相場が強いのに、自信が持てないのと似ている。「雪ウサギ」相場なのかもしれない。昨年9月安値から4ヶ月。さらに、「節分天井」も近づいてくる。雪ウサギを追いかけ過ぎて、雪に埋もれて遭難しないようにしたいものである。(執筆者:犬丸正寛 株式評論家・日本インタビュ新聞社代表)
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※この記事は日本インタビュ新聞社=Media-IRより提供を受けて配信しています。
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