フリービット、SDカードがサーバになる「ServersMan@SD」

2011年1月7日 13:37

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 フリービットは6日、中国の爱国者数码科技(aigo)と、同社との合弁会社Smart Cloudと共同で、SDカード単体でサーバとして動作する「ServersMan@SD」の開発に成功したと発表した。既存のSDカード対応機器で使用するSDカードを入れ替えるだけで、ネットワーク対応機器のように動作するという。

 同製品は、SDカードの中に、CPU、WiFiモジュール、SDメモリモジュールなどを実装し、その上でServersManプラットフォームを動作させることで、SDカード単体で仮想化またはIPv6技術を利用したサーバとして動作する。クライアントとして動作するモードも用意されている。

 使用方法は単純で、既存のSDカード対応機器で利用しているSDカードメディアをServersMan@SDに変更すると、ネットワーク対応機器として動作するようになるという。

 同社は利用例として、以下のような用途を提案している。

[デジタル家電分野]
•SDカード対応デジタルカメラ(一眼レフ含む)で撮影した写真や動画をリアルタイムにPCや携帯から参照
•SDカードフォトフレームに、ダイレクトに写真を転送
•SDカード対応録画機の内容を外部から参照
•SDカード対応のミュージックプレイヤーの音楽情報を更新

[電子書籍分野]
•SDカード対応スキャナで取り込んだデータを直接、iPadや携帯電話などから参照

[セキュリティ分野]
•SDカード対応監視カメラ(蓄積型)などの情報をネットワーク化してほぼリアルタイムにネットワークからの中央監視が可能に

[ヘルスケア分野]
•SDカード対応ヘルス機器(体重計、血圧計など)の情報をPCや医療機関からダイレクトにアクセス

[小型Web Server/File Server]
•SDカードで独自ドメインによるWebサーバーの運用。駆動部分がなく極めて安定して動作
•小型のファイルサーバーとしても動作

 また、ServersMan@SDを搭載した機器は、サーバ機能とクライアント機能の双方を持った「自律Node」として機能するため、PCやクラウド上のサービスを通さずに直接機器と機器が交信することができるという。SD搭載デジタルカメラから、SD搭載フォトフレームに直接写真を送るといった使い方が可能になる。

 同社の石田宏樹社長はプレスリリースで「ServersMan@SDによって、あらゆるSDカード搭載機器がネットワーク機器に変身する」「ネットワーク対応機器の開発コストを劇的に下げるという事にとどまらず、ServersMan@SDさえあれば“ネットワーク対応すらしなくていい”という状態を可能とした」とコメントしている。

 同社は1月6日から米ラスベガスで開催される家電見本市の「2011 International CES」のaigo/Smart Cloudブースで実働機を参考出展する。

 aigoは1993年設立、従業員約1900人のコンシューマー向けデジタル機器メーカー大手。PC周辺機器にとどまらず、ミュージックプレイヤーや携帯電話、デジタルカメラなどを生産している。

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