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「左は世界を制する」の必勝テクニックで攻める銘柄とは?=浅妻昭治
「フリー、フェア、グローバル」をキャッチコピーとした「ビッグバン」此の方、日本の株式市場では、季節感がドンドン後退しているようだ。[写真拡大]
【浅妻昭治(株式評論家・日本インタビュ新聞社記者)のマーケット・センサー】
■まず厳冬関連株、花粉症関連株へのジャブから
「フリー、フェア、グローバル」をキャッチコピーとした「ビッグバン」此の方、日本の株式市場では、季節感がドンドン後退しているようだ。大発会といえば、かつては「ご祝儀相場」そのもので、お屠蘇気分で商いが始まったものだ。証券各社の株式部には、積み上げられたみかんの山と日本酒が用意され、お神酒を重ねた真っ赤な顔で株価ボードもそっちのけに挨拶回りをしたものだが、そんな大発会風景がいまでも健在なのか、確かめる相手の証券会社のベテラン証券マンも一人減り、二人減り、姿を消しつつある。
立会時間も半日商いが、全日商いの通常取引となり、大発会早々にいきなり本気モードとなる。ボクシングでは、「左は世界を制する」として、左ジャブで相手との間合いを取りつつ牽制して、頃合を見計って右のノックアウトパンチをヒットするのが必勝テクニックといわれている。それが株式投資では、最初から通常取引の全日商いではメリハリがなく、ノックアウト狙いの右パンチは、肩に力が入って大振りとなり、新年早々、空振りとなって撃沈ともなりかねない。
ここはボクシングの鉄則通りに左ジャブを繰り出し、リング(相場)の方向性を瀬踏みしてみるのがリスクが少なくなりそうである。ジャブを繰り出す相手は、まずこの年末年始に西日本の日本海側に伝えられた大雪を手掛かりとする厳冬関連株である。新年早々の大雪が、「〇六豪雪」、「三八豪雪」などの再来につながるのかウオッチしつつ、まず石油ストーブ関連のコロナ <5909> 、ダイニチ工業 <5951> などに照準を合わせたい。家電大手は、すでに石油ストーブから撤退してエアコンに経営資源を集中しているが、豪雪でかつての「新潟大停電」などが発生するようだと、頼りになるのは両社の生産している開放型石油ストーブだけという非常事態に直結することになる。
厳冬株思惑が一巡したら花粉症関連株である。環境省も、昨年12月24日の花粉飛散量予測の第1報で、寒気が緩めば花粉の飛散が始まり、飛散量は昨シーズンより多くなり、全国的に花粉症が重症化するレベルになると注意を喚起したばかりである。定番銘柄のロート製薬 <4527> 、参天製薬 <4536> 、日本バイリーン <3514> 、ユニ・チャーム <8113> 、マツモトキヨシホールディングス <3088> 、CFSコーポレーション <8229> 、サンドラッグ <9989> 、さらに厳冬関連と花粉症関連でダブルに恩恵を享受するウェザーニューズ <4825> などが候補株となる。
左ジャブだけで終わるのか、ノックアウトパンチにまで発展するのかで、2011年相場のスケールが見えてきそうである。(情報提供:日本インタビュ新聞社 Media-IR)
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※この記事は日本インタビュ新聞社=Media-IRより提供を受けて配信しています。
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