2011年は『卯年』で跳ねても翌年『辰巳天井』控える=犬丸正寛の相場展望

2010年12月24日 19:05

印刷

記事提供元:日本インタビュ新聞社

2011年のエトは「卯」年。当然、ピョンと跳ねることが期待され予想される。しかし、注意すべきは、子・丑・寅・卯・辰・巳・午・羊・申・酉・戌・亥の4番目で、その次に待ち構えているのが、2012~13年に到来する、『辰巳天井』だ。

2011年のエトは「卯」年。当然、ピョンと跳ねることが期待され予想される。しかし、注意すべきは、子・丑・寅・卯・辰・巳・午・羊・申・酉・戌・亥の4番目で、その次に待ち構えているのが、2012~13年に到来する、『辰巳天井』だ。[写真拡大]

■深追いできぬ!前半勝負で後半手仕舞いも

  2011年のエトは「卯」年。当然、ピョンと跳ねることが期待され予想される。

  しかし、注意すべきは、子・丑・寅・卯・辰・巳・午・羊・申・酉・戌・亥の4番目で、その次に待ち構えているのが、2012~13年に到来する、『辰巳天井』だ。相場に手を染めるものなら、誰でも無条件に嫌がる。しかも、08年10月のリーマンショックでつけた日経平均の安値6994円から、来年10月で丸3年の『大回り3年』に当っている。ピョンと跳ねたからといって、深追いは出来ない。

  跳ねる可能性がある理由のひとつは、ミクロの企業業績好調がある。これまでの、中国等の輸出好調でかなり稼ぐことができた企業は体力をつけている。この企業業績の好調に、もし、政権交代があって、連立にせよ産業政策優先の政権となれば、マクロ面のプラス人気も加わって跳ねる可能性は強いといえる。

  ただ、仮にそうなったとしても日本を取り巻く環境が劇的に変わるわけではない。少子高齢化は、さらに進み、人口自体の減少がいよいよ鮮明となってくる。企業は体力をつけたとはいえ、従業員を採用することには依然、消極的だ。国内マーケットが縮小に向かう中では簡単には人は増やせない。加えて、インフレ懸念から高成長の中国が金融引き締めに動き経済成長のブレーキペタルを踏み込もうとしている。EUの財政問題も、ますます深刻の度を強めている。結果、日本の失業問題は悪化することはあっても改善される見込みは期待できない。たとえば、道州制の採用といった、思い切った日本列島の再構築を図る政策でもない限り国内活性化は難しい。もはや、東京発の全国均一化のモデルは通用しない。

  もちろん、領土問題は表面的にはおとなしくなっても、根本的にはなんら解決されていない。むしろ、いつ火を噴くかわからない怖さを秘めている。国際緊張は日本売りの可能性もあり、為替(円相場)も、どちらへ動くか予測がつかない。

  かくして、2011年・卯年は、ピョンと跳ねることは期待できても、「上ヒゲ」足のチャートとなる可能性が強い。大胆に予測すれば、年前半に「ピヨン」と跳ねて、後半はダレルのではないか。前半は跳ねる相場について、後半は「辰巳天井」に備えて手仕舞うのがよいのではないか。(執筆者:犬丸正寛 株式評論家・日本インタビュ新聞社代表)

【関連記事・情報】
ケイ線・チャートは相場の杖である=犬丸正寛の相場格言(2010/12/24)
悪い時には悪いことが重なる=犬丸正寛の相場格言(2010/12/20)
春の順張り、秋の逆張り=犬丸正寛の相場格言(2010/12/15)
トイレの汚い会社の株は買うな(求められる企業の品格)=犬丸正寛の相場格言(2010/12/08)
株はもとの古巣に帰る=犬丸正寛の相場格言(2010/12/08)

※この記事は日本インタビュ新聞社=Media-IRより提供を受けて配信しています。

関連記事