「掉尾の一振」限定の「出口戦略」銘柄ならココを狙え!=浅妻昭治

2010年12月13日 15:02

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記事提供元:日本インタビュ新聞社

師走も押し詰まり、流行語大賞やら今年1年を象徴する漢字一文字やらが選定された。いろいろ候補が上がったようだが、その下馬評にも上がらずとんと聞かなくなった言葉に「出口戦略」がある。

師走も押し詰まり、流行語大賞やら今年1年を象徴する漢字一文字やらが選定された。いろいろ候補が上がったようだが、その下馬評にも上がらずとんと聞かなくなった言葉に「出口戦略」がある。[写真拡大]

【浅妻昭治(株式評論家・日本インタビュ新聞社記者)のマーケット・センサー】

■7月安値の日経225採用銘柄に狙い目

  師走も押し詰まり、流行語大賞やら今年1年を象徴する漢字一文字やらが選定された。いろいろ候補が上がったようだが、その下馬評にも上がらずとんと聞かなくなった言葉に「出口戦略」がある。リーマン・ショック以来の金融危機対応で各国政府が相次いで超金融緩和政策と財政政策を発動したが、この非常事態の収束を待って緊急時対応政策を正常化させる政策転換を表現するキーワードである。

  今年念頭には、今年1年の相場テーマの一つに数えられ、少なくとも夏前までは新聞の見出しにもよくこの活字が躍り、この動向を巡って株価も乱高下した。ところがギリシャを震源地とする欧州のソブリンリスク懸念が高まると、見えていたばずの「出口」の方向感が不透明化した。途端の誰も「出口戦略」など口にしなくなった。豪州、ブラジルの資源国は、相次いで金利を引き上げ、ここにきて中国も、約2年ぶりに金融緩和策からの転換を打ち出したが、日・米・欧はいまだに二番底懸念から抜け出せていないからである。

  「出口戦略」が迷走しているのは、経済ファンダメンタルばかりではない。国内政治状況も、「政権交代」、「脱小沢」の「出口戦略」が、またも首相の顔が変ったにもかかわらず民主党連立内閣は後退に後退を重ねているようで、「政治とカネ」、「基地」、「解散」の新たな3Kの重圧に押しつぶされそうな雲行きである。来年相場も、経済も国内政治も「出口戦略」の動向が、相場テーマとして影響する展開が予想される。

  株式投資でも、「出口戦略」は最重要課題である。持ち株を引き取ってくれる買い手を見つけ出して利益を確定する必要があるからだ。ましてニューマネーの流入が限定的な市場では、買いは易しく売りは難しい。かつては自ら買い手を作り出す腕力相場があった。いわゆる仕手株相場である。仕手本尊がいて、売り手の売りを誘い、締め上げて踏み上げさせて、それに乗って利益を確定した数々の仕手株相場を演出した。いまや証券裏面史・事件簿に名を残すばかりで、仕手本尊などカゲもカタチも残っていない。

  「掉尾の一振」限定なら、この「出口戦略」を模倣するのも有効かもしれない。狙いは、日経225採用で7月に安値をつけ、株不足で逆日歩のついている銘柄である。この12月に絶対安値期日を迎え、売り方の買い戻しが想定されるからだ。候補株は、ブリヂストン <5108> 、コマツ <6301> 、日立建機 <6305> 、京セラ <6974> 、ホンダ <7267> 、キヤノン <7751> などである。あくまで年内一回転の逆張り、ヒット・アンド・ウエー堅守である。ゆめゆめ「投資家とは失敗した投機家」にならない覚悟が不可欠である。(情報提供:日本インタビュ新聞社 Media-IR)

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