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プラズマクラスターイオンのインフルエンザ感染発症に対する効果は確認できず、しかし傾向は認められる
二週間ほど前の話題で恐縮だが、シャープから研究委託を受けた財団法人パブリックヘルスリサーチセンターの試験によると、シャープが開発したプラズマクラスターイオン発生装置を利用することでインフルエンザ感染率低減の傾向を確認したとのこと (シャープのプレスリリース、家電 Watch の記事) 。一方で先週の日経メディカルオンラインの記事によれば、感染発症を抑える効果は確認できなかったとしている。
この実験の観察期間は 2009 年 12 月 1 日から 7 ヶ月間。この間のインフルエンザ感染の発症件数は、イオンあり群で 1154人中 9 件、イオンなし群では 1274人中 14件だった。家電 Watch の記事や発表した東京大学大学院医学系研究科の大橋靖雄教授によるスライドでは感染リスクが 30 % 低減としており、うがい・手洗いと同様の日常的な対策として期待できるとしているが、日経メディカルオンラインの記事では主要評価項目となる合計発生件数 / 合計観察日数(人数×日数) はイオンあり群 : イオンなし群で 0.0000411 : 0.0000590 となりオッズ比は 1.7002 (95 % 信頼区間; 0.7252-3.9862, p=0.09935) となり、有意差はなかったとしている。大橋教授のスライドやシャープのプレスリリースでも「統計的には有意な水準である p 値片側 5 % には至っていませんが、傾向があると判断できる p 値片側 10 % を確認しました」とある。
今回の試験の詳細については大橋教授が、来年 1 月に札幌で開催される 第 21 回 日本疫学会学術総会にて発表するとのことである。
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※この記事はスラドから提供を受けて配信しています。
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