変わるものと、変わらないもの

2010年11月15日 11:00

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記事提供元:エコノミックニュース

 高度成長期、バブル絶頂期とその崩壊、100年に一度の世界同時不況など、戦後の日本経済はさまざまな局面を経験し、そしてその時代時代には、多くの人々に愛されるヒット商品が存在していた。しかし、時代が移り変わるとともに、大ヒットした商品も次第に消滅し、また新たな時代のトレンドにあった新商品が誕生するというサイクルが繰り返されてきたのである。

 特に食品業界は近年、人々の嗜好が多様化することにより、世代間を超えて同じ味が好まれることが少なくなってきている。大ヒットしても果たしてその商品が長く売れ続けていくのかは全く予想ができない。実際、話題になった商品が瞬く間に廃番品となってしまうケースもある。しかしそんな中、時代やトレンドが変わっても、長きに渡って変わらず消費者に支持され続けているロングセラー商品が存在している。

 例えば、カルビーの「ポテトチップス」は1975年に発売して以来、定番のお菓子として定着。日清食品 <2897> の「カップヌードル」は1971年に発売し、多くのカップ麺が登場するなかでも今なおトップレベルの人気を集めている。清涼飲料水メーカーでは、アサヒ飲料 <2598> の三ツ矢サイダーやヤクルト <2267> のヤクルト類が代表的。また、コーヒー飲料にもロングセラー商品が多く、UCC上島珈琲が1969年に現在のUCCミルクコーヒーを、ポッカコーポレーション <2592> が1972年にポッカコーヒーを、日本コカコーラは1975年にジョージアを発表し、現在も発売し続けている。

 ロングセラー商品は、定説として味を変えるとユーザーが離れてしまうといわれているが、実際のところニーズに合わせてマイナーチェンジをするのは当然の流れ。どのロングセラー商品も基本的に味やパッケージは発売当時より大幅なリニューアルが行われている。

 そのなかで、中身もパッケージデザインもほとんど変えることなく発売し続けている商品がある。それがダイドードリンコ <2590> の「ダイドーブレンドコーヒー」だ。1975年に登場して以来、同社の看板商品として、今なお販売し続けている。そして今年、35周年を迎えた記念として、9月13日に中身はそのままにパッケージデザインをリニューアル。これはロイヤルユーザーの満足度のさらなる向上を図るとともに、今後も変わらぬ美味しさを提供し続けていくという決意を表しているようだ。

 また、同時に新商品である「ダイドーブレンドスペシャル〔微糖〕」も発売した。これは「ダイドーブレンドコーヒー」で培ったブランド資産を活かした糖類50%減の微糖缶コーヒー。現在、缶コーヒーマーケットの中で拡大を続ける「微糖」カテゴリーにおいて、伝統感・王道感を継承しながらも進化を遂げるという前向きさも訴求している。

 そして、9月13日より伊藤英明起用のコマーシャルもオンエア。メディアを通じた販売促進や広告宣伝も大規模に展開され、「ダイドーブレンドコーヒー」「ダイドーブレンドスペシャル[微糖]」の認知拡大に力を注いでいる。その活動の一環として、現在、自社ホームページに新規会員登録すると、2商品がセットされたブレンドスペシャルBOXを、発売年にちなみ抽選で1975名にプレゼントするプランも展開中だ。

 「この味は変えない」とコマーシャルで伊藤英明が語る。その言葉通り、同社は、今後も時代の変化が目まぐるしい現代社会の中においても、変わらないことの大切さを重要視しながら、オリジナル商品のラインアップもさらに充実させていきたいとしている。
(編集担当:宮園奈美)

※この記事はエコノミックニュースから提供を受けて配信しています。

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