日経平均は第1次・菅内閣発足時の水準を奪回!内閣への期待とは?=犬丸正寛

2010年11月8日 17:26

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記事提供元:日本インタビュ新聞社

8日(月)の日経平均は終値で106円高の9732円と、第1次・菅内閣が発足した6月8日の水準をほぼ奪回した。実に5ヶ月ぶりである。マーケットは、菅内閣に何を期待しているのか。

8日(月)の日経平均は終値で106円高の9732円と、第1次・菅内閣が発足した6月8日の水準をほぼ奪回した。実に5ヶ月ぶりである。マーケットは、菅内閣に何を期待しているのか。[写真拡大]

  8日(月)の日経平均は終値で106円高の9732円と、第1次・菅内閣が発足した6月8日の水準をほぼ奪回した。実に5ヶ月ぶりである。マーケットは、菅内閣に何を期待しているのか。

  菅内閣が、鳩山内閣からバトンタッチを受けて発足したのは6月8日で、その日の終値は9537円。その後、終値では6月16日、21日、22日の僅か3日間ほど1万円台があっただけで、総じて低迷した。とくに、7月の参議院選挙での大敗を受けて、9月1日には8927円まで下げ年初来の安値に沈んでいた。

  改造内閣がスタートした9月17日には9626円と持ち直し、現在では1万台まであと260円余まで迫っている。昨年9月に民主党政権が誕生して1年超が経過した。

  この間、普天間基地問題、消費税問題、民主党党首選び選挙など、大荒れだった。さらに、ここに来て、尖閣列島問題、北方領土問題、TPP(環太平洋パートナーシップ協定)問題、ねじれ国会など、依然、問題山積である。

  にもかかわらず日経平均が持ち直してきたのはなぜか。菅政権が嫌がるところの供給サイドの主役である「企業」の頑張りによる、企業業績の好調が大きかったことは言うまでもない。加えて、菅政権に柔軟さがみられるようになったこともあるだろう。法人税の引き下げ、成長戦略、八ツ場ダム建設中止の撤回など評価できる政策もみられる。とくに、なにより、もっとも大きいのは、ギクシャクしていた「日米関係」の見直しだろう。今度の尖閣列島問題で外交の重要性が認識された。日米同盟の強化が打ち出されたことが一番だろう。これによって、長く続いた為替問題(円高)も峠を越えることが期待できそうだ。

  これまでの1年の民主党政権は、自民党の採ってきた政策をすべて否定することで存在感を印象づけようとしてきたところがある。しかし、アメリカを否定した代償がいかに大きかったか。参議院選挙では負けたとはいえ、国民の民主党政権への期待も引き続き大きい。日本再生に向けての菅内閣への、もう一度の期待がかけられている。それが、日経平均1万円台奪回へ向けての願いが込められている。(執筆者:犬丸正寛 株式評論家・日本インタビュ新聞社代表)

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