連合国はどうやってドイツの戦車生産数を割り出したのか

2010年10月28日 13:00

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記事提供元:スラド

  capra 曰く、

 本家/.「How Allies Used Math Against German Tanks 」より。

 第二次世界大戦中、ドイツ軍の戦車は明らかに連合国のそれより優れていた。これは動かしようのない事実だったため、連合軍はドイツ軍の生産数を知ろうと躍起になったそうだ。

 当初スパイ活動や通信傍受、捕虜への尋問などでこれを割り出したところ、毎月1400台生産しているとの推測が立てられた。しかし実際には、8ヶ月間続いたスターリングラードの戦いに同盟軍が投入した戦車の数はたった1200台だったことから、これは現実的な数字ではないと結論づけられたという。

 正確な生産数を割り出すのに連合軍が次に目をつけたのが、戦車にふられたシリアル番号だったという。このシリアル番号を考察し、離散一様分布の最大値を推定する数式を元に割り出された生産数は「1940年の夏から1942年の秋までに毎月255台」であったとのこと。戦後に公開されたドイツ内部資料には「毎月256台」の戦車が生産されていたことが記載されており、非常に近い解が得られていたこととなる。

 なお、日本語で「ドイツ戦車問題」と呼ばれるこの件の英語のWikipediaのエントリはこちら、離散一様分布についてはこちらが参考になる。より詳しい方がいらっしゃったら是非補足をお願いしたい。

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