NN倍率の1倍割れに思う!11月オバマ大統領来日で倍率修復も=犬丸正寛

2010年10月27日 17:42

印刷

記事提供元:日本インタビュ新聞社

NYダウ快調、日経平均のもたつきが対照的だ。この両者の間柄を計る指標がある。「日経平均」÷「NYダウ」で計算するところの「NN倍率」と呼ばれるもの。

NYダウ快調、日経平均のもたつきが対照的だ。この両者の間柄を計る指標がある。「日経平均」÷「NYダウ」で計算するところの「NN倍率」と呼ばれるもの。[写真拡大]

  NYダウ快調、日経平均のもたつきが対照的だ。この両者の間柄を計る指標がある。「日経平均」÷「NYダウ」で計算するところの「NN倍率」と呼ばれるもの。

  26日のNYダウは1万1169ドル、27日の日経平均は9387円。両者の単位を外して計算したNN倍率は0.84倍と1倍を割っている。実は、1倍割れ状態は珍しいことではなく、1年近く続いている。

  少しさかのぼってみると、日本で民主党政権が誕生した09年9月初め頃のNN倍率は1.07倍と、まだ1倍を超えていた。その後、日が経つに連れて1倍を割って推移するようになっている。

  この倍率が1倍を上回っていれば日経平均優勢、下回っていれば日本市場が弱いことを意味するといえる。かつて、昭和40年代の初め頃のNN倍率は10倍程度だったこともある。今の中国のように、高い経済成長の続いていた当時の日本がNYに対し優勢だったことは当然といえる。

  今の日本が少子高齢化で国力が低下していることは否定はできない。しかし、経済的な要因だけでもなさそうな印象を筆者は持っている。自民党政権時代、1倍水準をこれだけ大きく、長い期間下回ることはなかったことを考えると政治的な要因も大きいと思わざるを得ない。

  鳩山政権時代に日米関係がギクシャクしたことが原因ではないかと仮定すれば、なんとなく理解できるのではないかと思う。親同士が近所付き合いでギクシャクしていたら、子供たちの付き合いもよろしくないはず。日米関係がうまくいかないとアメリカからの日本株買いは期待できない。むしろ、売りが先行しやすい。その結果がNN倍率悪化という背景となっている可能性もあるのではないか。

  11月中旬にはアメリカのオバマ大統領が来日する。菅政権がオバマ政権とどのように関係を再構築するか。日米同盟が堅いものとなればNN倍率の1倍水準回復だけでなく、円高も止まる可能性があるのではないか。(執筆者:犬丸正寛 株式評論家・日本インタビュ新聞社代表)

【関連記事・情報】
買い上手より売り上手=犬丸正寛の相場格言(2010/01/19)
買い難い相場ほど上がる=犬丸正寛の相場格言(2010/01/18)
株は物と違って買いと売りをセットで考えなくてはいけない=犬丸正寛(2010/09/27)
虎穴に入らずんば虎子を得ず=犬丸正寛の相場格言(2010/09/23)
女の子が生まれたら桐を植えるがごとく株を買え=犬丸正寛の相場格言(2010/09/17)

※この記事は日本インタビュ新聞社=Media-IRより提供を受けて配信しています。

関連記事